新幹線台車亀裂

「疲労破壊」が原因、川重が鋼材削り強度不足に JR西

 発見した時点で、幅約16センチの底面を貫いた亀裂は高さ約17センチの両側面で約14センチまで達していた。

 川崎重工業は28日、新幹線の台車枠の底面の鋼材を削りすぎたのは、「0・5ミリ以上削らないよう、班長が作業者に指示しなかったことが原因」と説明。マニュアル違反を認め、金(かね)花(はな)芳則社長は「多大なるご迷惑と心配をかけた」と謝罪して、月額報酬の5割を3カ月返上すると明らかにした。その上で、再発防止に努めるため、現時点での引責辞任について否定した。

 亀裂は、昨年12月、博多発東京行き「のぞみ34号」で見つかった。運行中に異臭や異音などを乗務員や乗客が感じていたが、それについても、JR西は亀裂が進展したことに端を発すると推定されるとした。

 川崎重工業は19〜22年にJR西にのぞみの台車303台を納品。同様の製造を施したとされ、JR西によると、うち100台で7ミリ未満のものが確認された。22台で微細な傷も確認した。

 JR西は、破断に至るような傷は確認されず、運行に支障はないとしているが、順次台車を交換するとした。

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