陸上

瀬古氏「寂しいよね」 国際千葉駅伝終了

往年の名ランナー、瀬古利彦氏(中央)は第1回国際千葉駅伝を最後に引退した。セレモニーではライバルだった中山竹通氏(右)が花束で労をねぎらった=1988年12月18日、千葉市
往年の名ランナー、瀬古利彦氏(中央)は第1回国際千葉駅伝を最後に引退した。セレモニーではライバルだった中山竹通氏(右)が花束で労をねぎらった=1988年12月18日、千葉市

 多くの名ランナーが駆けた国際千葉駅伝に終止符が打たれた。

 5回目から千葉県出身の日本陸連名誉会長、青木半治氏の名を冠した同駅伝には、後にシドニー五輪女子マラソン金メダリストとなった高橋尚子さん、バルセロナ五輪女王のワレンティナ・エゴロワさん(ロシア)らが参加した。国内外のトップ選手がたすきをつないで競う貴重な大会として、強化と普及の両面で存在感を示してきた。

 しかし、近年は大会の捉え方が変化してきた。開催される11月は、国内ではマラソンや駅伝が始まり、海外ではクロスカントリーのシーズンが佳境を迎える時期にあたる。国内外で選手の国際大会への出場機会は増える傾向にあり、「大会に選手を集めにくかったのは確か」と日本陸連幹部も認めざるを得ない状況だった。

 1回目が自身の引退レースだった瀬古利彦氏は「寂しいよね」と惜しんだ。四半世紀以上に渡って選手、ファンに親しまれてきた駅伝は、時代の流れとともに、その役目を終えた。(宝田将志)

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