桜色のタイ、ピチピチと 福山「観光鯛網」始まる

 江戸時代から伝わる伝統漁法を再現する風物詩「観光鯛網」(福山観光コンベンション協会主催)が1日、福山市鞆町沖で始まった。今年はタイを引き上げる「親船」2隻が28年ぶりに新造され、真新しい船に乗り込んだ漁師は勢いよく跳ねるタイを豪快に引き上げ、訪れた観光客を魅了した。22日まで。

 この日は、開会式で神事が行われたあと、指揮船など6隻が出発。親船が左右に大きく分かれながら長さ1500メートル、深さ100メートルの網を海中に下ろして引き上げると、桜色のタイが姿を現しピチピチと勢いよく跳ねた。タイは手網ですくわれ、さっそく船上で観光客らに即売された。

 鞆の観光鯛網で披露される漁法は「鯛しばり網漁法」と呼ばれ、市無形民俗文化財となっている。一方、親船は昭和63年に造られたもので、老朽化していた。今年、市の補助を受けて2隻を新造。協会によると、以前の船と比べて全長、幅ともに1メートルほど大きくなったという。旅行で訪れていた横浜市の主婦、村上彩さん(55)は「なかなかない珍しいものを見学できた。跳ねるタイは迫力があって楽しかった」と話していた。

 月~土曜は午後1時半から、日曜・祝日は午前10時半と午後1時半からの2回行われる。観覧料2800円(小・中学生1400円)。問い合わせは同協会(電)084・926・2649。

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