チュニジア大統領、次期選挙に不出馬表明 民主化を約束
【カイロ=花房良祐】チュニジアのベンアリ大統領は13日のテレビ演説で、2014年の次期大統領選に出馬しないと表明した。表現の自由を認めるなどの民主化を進めることも約束し、失業問題を発端とした大規模な抗議デモの早期沈静化を図った。治安当局にはデモ隊に銃を向けないように命じた。
ベンアリ大統領は無血クーデターを経て1987年に大統領に就任し、23年間にわたり強権体制を敷いてきた。
一方で、デモ隊と治安部隊の衝突は13日夜も続き、死者も出たもようで事態は沈静化していない。チュニジアは近年、日本や欧州と太陽光発電などに関する共同事業や計画を進めている。日本から訪れる観光客も多い。治安が悪化すれば、対外的な経済関係にも影響が出そうだ。
同国では昨年末からデモが続いており、当局との衝突で60人以上が死亡したとの情報もある。デモは当初、若年層の雇用問題がきっかけだったが、次第に各都市へ大規模な反政府デモに発展。首都チュニスでは異例の外出禁止令も発令された。
チュニジア経済は昨年に約3.8%の経済成長を達成したもようだが若年層は恩恵を受けていない。民主化していないため不満が鬱積し、過激化した。