南シナ海も「核心的利益」 中国国家海洋局長
【北京=島田学】中国国家海洋局の劉賜貴局長が25日に海南省で開いた会合で「南シナ海の戦略的位置づけは重要で、南シナ海での権益保護は我が国の核心的利益にかかわる」と強調した。同局のウェブサイトが26日公表した。中国が軍を動員してでも守るべき利益を指す「核心的利益」の対象に南シナ海を加える可能性を示唆し、領有権問題で対立するフィリピンなどをけん制した。
中国政府はこれまで公式に、南シナ海についてチベットや台湾と並ぶ「核心的利益」と表現したことはない。2010年には、訪中したスタインバーグ米国務副長官(当時)に対し、中国政府高官が「南シナ海は中国の核心的利益だ」と発言したとの情報が流れ、中国外務省が火消しに回った。