ローランドのMBO、筆頭株主応じず 創業者が理事長の財団
ローランドが進めているMBO(経営陣が参加する買収)で、筆頭株主のローランド芸術文化振興財団(浜松市)は20日、同社株の売却に応じないことを決めた。ローランドの経営陣は財団が保有する9.8%分の株式を得られぬまま、MBOの成立に必要な3分の2超の株式取得をめざす。
ローランドは25日まで、1株1875円で自社株式の公開買い付けを実施しており、東証1部の上場廃止を計画している。
同社の創業者で、財団理事長の梯(かけはし)郁太郎氏がMBOと財団の株式売却に強く反対していた。財団は浜松市内で20日開いた評議員会に株式売却の議案を諮ったが、賛成は5人にとどまり、財産処分の決定に必要な3分の2の賛成を得られなかった。評議員は9人中3人が欠席し、1人が棄権した。
ローランドの三木純一社長は同日、「財団の理解が得られず残念だが、構造改革の必要性は多くの株主に理解してもらっている。MBOの成立に向けて引き続き努力する」とコメントを出した。
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