高校教科書、ページ15%増 「脱ゆとり」総仕上げ
文部科学省は26日、2014年度から使われる高校2・3年生向けの教科書の検定結果を発表した。昨年度までに検定が終わった1年生向けなども含めると、主要10教科の平均ページ数は現行版に比べ15%増えた。教える内容を約40年ぶりに増やした新学習指導要領に対応。小、中学校と進んできた「脱ゆとり教育」路線の総仕上げとなる教科書になった。
工業科など専門教科も含めると181点の申請があり、誤記が多かった教科書などを除く178点が合格した。
教科別の平均ページ数は現行版に比べて国語が30%増、数学28%増、英語21%増、理科19%増、公民18%増、地理歴史1%増だった。新指導要領に基づき、理科で物理学が多様な先端分野で利用されている状況の紹介などが追加された。英語は教える単語数が4割増の1800語になった。
領有権を巡って韓国や中国と主張が対立する島根県の竹島(韓国名・独島)と沖縄県の尖閣諸島の問題は、地理と政治・経済の計9冊中8冊が記した。
検定では、北方領土も含む領有権問題で政治・経済で計7カ所の修正が求められた。ある出版社は「尖閣や竹島の帰属問題で中国・韓国との間に未解決の問題がある」と記したが、「尖閣を巡る領土問題はない」とする日本政府の見解に基づき、尖閣と竹島を同列には扱えないとされた。