猛暑列島記録ずくめ 高知・四万十で史上最高41度
日本列島は12日も厳しい暑さとなり、高知県四万十市で国内の史上最高気温となる41.0度を観測した。2つの高気圧が重なるように列島を広く覆っていることが暑さの原因。高温傾向は今月下旬まで続くとみられ、野菜の値上がりなど暮らしへの影響も懸念される。
気象庁によると、12日午後1時42分、四万十市で41.0度を観測。2007年8月に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で記録した40.9度を6年ぶりに上回った。四万十市は10日に40.7度、11日に40.4度を記録しており、3日連続で気温が40度を超えたのも国内で初めてとなる。
今夏の暑さは記録ずくめだ。10~12日に延べ7地点で40度以上を観測。11日は全国927の観測地点のうち、過去最多となる297地点(32%)が35度を超える猛暑日となった。東京都心の同日の最低気温は統計の残る過去138年間で最も高い30.4度だった。
連日の猛暑は日本付近に太平洋高気圧が居座り、その上から覆いかぶさるようにチベット高気圧が張り出して「2階建て構造」になっていることが原因。高気圧の内部を吹き下りる空気の流れが強められ、地表付近で圧縮、加熱されて気温を押し上げている。
太平洋高気圧の張り出し方によっては、気温の上昇を抑える海風が入りにくい。四万十市で41.0度を観測した時、海とは逆の西北西から風が吹いていた。高知地方気象台は山越えの乾いた熱い風が吹くフェーン現象も猛暑の一因とみている。
13日以降は上空の風向きがやや変わり、気温が一時的に少し下がるところもある見通し。ただ、気象庁によると、来週以降も太平洋高気圧が勢力を保ったまま、日本付近を帯状に覆う可能性があり、再びチベット高気圧が重なり、下降流が強まって記録的な猛暑がぶり返す恐れもある。
熱中症患者の急増を受け、地方自治体の間では冷房の効いた公共施設などを住民に開放する「クールシェア」の動きが広がっている。
京都府は今夏、特別養護老人ホームなど約100カ所を「高齢者涼やかスポット」に指定。昨夏より3割以上増やした。昨年は節電が主な目的で電力消費が少ない週末や早朝・夜間はスポットを開いていなかったが「今年は熱中症対策も考え、9月末まで毎日実施し時間設定もなくした」(府健康福祉部)。
和歌山県海南市は市民会館など21カ所に「暑さしのぎ休憩所」を設けた。ペットボトルの飲料水を無料配布しており、高齢者を中心に利用が広がっている。東京都小平市も地域センターなど22カ所を猛暑時の避難場所として指定。各施設は経口補水液や瞬間冷却パックを用意している。