スペースワールド17年末閉園 「経営難が理由でない」
テーマパーク「スペースワールド」(北九州市)は16日、来年12月末に閉園すると発表した。開業当初は新日本製鉄(現新日鉄住金)の多角化の象徴として注目を集めたが、2005年に経営破綻し、加森観光(札幌市)が出資して運営を引き継いだ。今年11月には魚を氷漬けにしたスケート場を園内で営業し、批判を浴びている。
同園の運営会社は「経営難が理由ではない」と説明している。関係者によると、土地を保有する新日鉄住金と賃貸契約更新の交渉が不調に終わったもようだ。新日鉄住金は土地の新たな貸出先を探るとともに、アトラクションの処分を運営会社と協議する。
スペースワールドは宇宙をテーマにしたテーマパークで、総面積は約24万平方メートル。新日鉄が運営会社を設立して1990年に開業。入場者は97年に216万人を記録したが、次第に集客が低迷。05年に経営破綻した。
加森が引き継いだ後はユニークな企画で集客が安定し、2016年3月期には最高益を達成した。ただ、行き過ぎた企画もあり、今年11月には魚を氷漬けにしたスケート場がネット上で「かわいそう」と批判を浴び、同施設の営業を中止している。
閉園後も運営会社は存続し、計100人の雇用も維持する。飲食や物販など同社が持つ運営ノウハウを生かして北九州市内で新事業を検討する。