5年ぶりに復活した「M-1グランプリ」が17日、大阪市内で開幕し、ハンカチ世代で、06年春の選抜大会で準優勝した清峰(長崎)ナインだった池田和希(27)が、お笑いコンビ「バブルズマンション」を組み、初戦突破した。

 池田は松下友樹(29)と12年にコンビ結成。現在の「バブルズマンション」は3度目のコンビで、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属し、劇場出演などを重ねている。

 「野球はもう、高校生でいいと思って。すごいヤツにいっぱい出会ったから。高校時代から友達と漫才をやっていたので、こっちで勝負しようと思いました」

 池田は3年春、甲子園に出場し、控え捕手としてベンチ入り。ただ「守備が下手で代打要員だった」そうで、甲子園では春夏通じて4打数2安打。チームは前田健太を擁したPL学園を破ったが、自身はベンチから熱戦をながめていた。

 ハンカチ王子と呼ばれた早実・斎藤佑樹、駒大苫小牧の田中将大らと同世代。その田中とは、選抜前だった2年秋、神宮大会で対戦。代打出場した池田は「3球三振でした。カーブ、ストレート、スライダーと全部見られましたが、どれもすごかった」と話す。

 今やメジャーで活躍するマー君こと田中や、広島のエース前田らを目の当たりにし、池田は「高校時代から(実力が)完全に抜けてた」。野球選手としての自らの限界を痛感し、お笑いの世界に身を投じた。

 それを今、正解だったと感じつつある。今年の夏、1年生ながら、2本塁打を記録した怪物、早実・清宮幸太郎もテレビで観戦した。「体のでかさが違うし、自信にあふれた空気感からして、モノが違うんですよね」。今は、自分が進むお笑いを極めようと努める。

 将来は「田中君、前田君らと番組で共演したい」との夢もある。

 前田とは、清峰の3年後輩で広島入りした今村猛を通じて、会ったことがあるといい「そのとき(チームは選抜でPLに)勝ったでって言うと、めっちゃ怒ってた」と苦笑した。

 5年ぶりに復活したM-1の戦場で、下克上を果たし、バットからマイクに相棒を変えて、お笑いでの雪辱を期している。