5つの国・地域から楽天など6チームが参加し台湾で開催されたアジアシリーズで、八百長疑惑が浮上していることが23日、分かった。優勝したキャンベラ(オーストラリア)の地元紙キャンベラ・タイムズ電子版によると、キャンベラの選手が台中市内で謎の人物からわざと負けるよう頼まれたという。

 「事件」が起こったのはキャンベラとサムスン(韓国)の準決勝が行われる前日の18日。控えのマット・ブラジンスキー捕手が同市内のバーで飲んでいると「準決勝でサムスンに、7点以上の差で負けるようチームメートに指示してくれ。そうすれば3万ドル(約300万円)を渡す」と持ち掛けられたという。

 チーム総年俸が4万7000ドル(約470万円)というキャンベラの選手にとって、提示された額は破格のものだったが、同捕手は八百長話には乗らず、コーチ陣に報告。コーチ陣からアジアシリーズの運営上層部に伝わり、そこから警察に通報された。同捕手は準決勝当日に台中の警察から事情聴取を受けたという。

 サムスン対キャンベラは、サムスン優勢の予想を覆し、キャンベラが9-5で勝利。決勝では統一(台湾)を下し、オーストラリア勢としてアジアシリーズ初制覇を果たし、八百長オファーよりも高額な賞金50万ドル(約5000万円)を獲得した。台中の地元警察は八百長疑惑について現在も捜査中だが、話を持ち掛けた人物については明らかにされていない。