日本プロ野球選手会が不参加を表明しているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場問題で、日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(70)は28日、粘り強く選手会に大会参加への理解を求めていく方針を示した。今日29日にはNPBと選手会の事務折衝が予定されており「最終局面だと思います。誠意を尽くして努力したい」と話した。

 長期的な視野に立った日米関係の重要性も説いた。加藤コミッショナーは、日米の優勝チームによる「リアル・ワールドシリーズ」や、米国でのNPB開幕戦の開催を目指してきた。15年には新設される世界大会「プレミア12(仮称)」の日本開催も有力視されている。「アメリカの存在は大きい。プロ野球ファンの夢を満たすために(長期的な)図を描いていくことも大事」。さまざまな構想を実現するためには、MLBとの協力関係は不可欠であることを強調した。

 WBCでの侍ジャパンの活躍が国内に与える影響力も大きい。加藤コミッショナーは「(被災地に)WBCに出ることを希望しているファンもたくさんいる。復興支援を惜しまないのであれば、そういうことも含めて(参加を)決断すべきだと思う」と、大会の意義を訴えた。