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第6回朝日アマ囲碁名人戦全国大会

韓流24歳「若い大会」制す/朝日アマ囲碁名人戦 初出場の洪さん優勝

2011年7月27日更新

第6回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会で優勝した大阪府代表の洪ソッ義(ホン・ソッギ、ソッは夾の人がそれぞれ百)さん(右)。左は2位の神奈川県代表の永代和盛さん第6回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会で優勝した大阪府代表の洪ソッ義(ホン・ソッギ、ソッは夾の人がそれぞれ百)さん(右)。左は2位の神奈川県代表の永代和盛さん=18日、東京都千代田区、竹谷俊之撮影

写真:洪ソッ義さん洪ソッ義さん

 20代までの出場者が4割余りを占めた、第6回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会(朝日新聞社、日本棋院主催)。「若い大会」を制したのは、韓国出身で24歳の新鋭、洪ソッ義(ホン・ソッギ、ソッは夾の人がそれぞれ百)選手(大阪)だった。落ち着いた着手を重ねて勝ち上がり、空位だったアマ名人の座を初出場でつかみ取った。

◆85歳平田さん 別格の存在感

 大会は7月17、18日、東京の日本棋院会館で開かれ、14〜85歳の57選手が頂点を争った。

 「洪さんが来る」。前回優勝者で今大会も本命とみられた29歳の河成奉(ハ・ソンボン)選手(招待)が1日目に最も警戒していたのが、母国の後輩だった。言葉通り、1〜3回戦をいずれも中押しで勝ち進んだ洪選手は、準々決勝で河選手と対戦。河選手のミスもあって中押し勝ちを収め、さらに勢いをつけた。準決勝を競り勝つと、決勝の相手は27歳の永代(ながよ)和盛選手(神奈川)。白130と出たのが永代選手の疑問手だった。洪選手は黒135とツケて白数子を分断し、優勢に。終盤に差を詰められたが、最後は逃げ切った。

 2位は永代選手、3位は伊達昌希選手(香川)。いずれも8強入りした経験があり、地元で囲碁教室を営み棋力を鍛えている。順当な結果といえるだろう。

 優勝の洪選手も、地方代表で最高齢の78歳、阿部績選手(宮城)も「教わりたかった」と口をそろえたのが、4位に入った平田博則選手(招待)。大会史上最年長の85歳は、持ち前の強気な碁で、前身の朝日アマ十傑戦6回優勝の中園清三選手(招待)らを破った。存在感も実力も別格だった。

 一方、近年活躍が注目されてきた10代や大学生の世代は、今回、一人も8強入りできなかった。審判長を務めた上村陽生九段は「(上の世代に)追いつくかと思ったが、もう少し差があると思った」と総括した。洪アマ名人に挑む日本出身の若手は、現れるだろうか。(新谷祐一)

     ◇

◆韓国出身の洪さん、アマ名人に/朝日アマ囲碁名人戦全国大会

 東京都千代田区の日本棋院会館で開かれていた第6回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会(朝日新聞社、日本棋院主催)は2日目の18日、決勝で韓国出身の大阪府代表、洪ソッ義(ホン・ソッギ=ソッは夾の人がそれぞれ百)選手(24)=箕面市=が神奈川県代表の永代(ながよ)和盛選手(27)=横浜市港北区=に黒番1目半勝ちし、初優勝した。第5期アマ名人のプロ入りで名人位が空位となっていたため、洪選手は前期名人との三番勝負を経ずに、第6期アマ名人となった。

 今大会は10代、20代の若手の台頭が注目されていた。韓国出身者が優勝するのは5回目となった。

 洪選手は準々決勝で前回優勝の河成奉(ハ・ソンボン)選手(29)=招待出場、東京都中野区=を破って勢いに乗り、続く準決勝、決勝も競り勝って、初出場で栄冠を手にした。

 洪選手は母国の大学で日本語と日本文学を学び、今春来日した。2008年に東京で開催された世界学生王座戦で準優勝。09年には世界のトップ棋士の出場するBCカード杯世界囲碁選手権にアマとして出場するなど、高い実績を持つ。

 洪選手の話 一局一局頑張るという気持ちだけで、優勝までは考えていなかった。相手はみんな強かった。内容的には満足していませんが、運がよかった。

 18日の結果は次の通り(左が勝ち、△は先番、敬称略)。

【準々決勝】

△平田博則(招待) 中押し 中園清三(招待)

△永代和盛(神奈川) 10目半 小野慎吾(山口)

△伊達昌希(香川) 4目半 田中正人(招待)

△洪ソッ義(大阪) 中押し 河 成奉(招待)

【準決勝】

永代 中押し △平田

洪 中押し △伊達

【3位決定戦】

△伊達 5目半 平田

【決勝】

△洪 1目半 永代

◆8強決まる/朝日アマ囲碁名人戦全国大会

 第6回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会(朝日新聞社、日本棋院主催)は7月17日、東京都千代田区の日本棋院会館で57選手が出場して開幕し、8強が決まった。18日午前9時から準々決勝があり、同日午後に優勝者が決まる。アマ名人が空位のため優勝者はそのまま第6期アマ名人となる。

 17日は3回戦まで打たれ、河成奉(ハ・ソンボン=招待)、洪ソッ義(ホン・ソッギ=ソッは夾の人がそれぞれ百=大阪)、田中正人(招待)、伊達昌希(香川)、小野慎吾(山口)、永代和盛(神奈川)、平田博則(招待)、中園清三(同)の8選手が勝ち残った。河選手は昨年の優勝者で、平田選手は大会史上最年長の85歳。準々決勝の組み合わせは、河―洪、田中―伊達、小野―永代、平田―中園。

 18日午後2時半から金秀俊八段による決勝大盤解説会が日本棋院会館である。入場無料。

 1〜3回戦の結果は以下の通り(左が勝ち、△は先番、敬称略)。

【1回戦】

 江尻敏彰 (岡山)  半目   △古屋圭亮 (山梨)

 孫志剛  (高知)  中押し  △森洋喜  (愛知)

 坂倉健太 (広島)  中押し  △片桐大樹 (東京)

 洪ソッ義  (大阪)  中押し  △阿佐巧  (茨城)

△金井洋龍 (宮崎)  中押し   伊藤彰一 (長野)

△木村直登 (和歌山) 中押し   簡聡   (岩手)

△高橋新一郎(秋田)  7目半   田中伸幸 (招待)

△大岩徹  (埼玉)  中押し   佐々木悠介(福井)

△山下寛  (京都)  中押し   闇雲博明 (三重)

 加藤健一 (静岡)  中押し  △寺園健一 (鹿児島)

△吉成知晃 (北北海道)中押し   鳥井裕太 (奈良)

 伊達昌希 (香川)  中押し  △会田昭司 (福島)

 癸生川聡 (栃木)  13目半 △関家祐平 (愛媛)

 小野慎吾 (山口)  2目半  △小山光晶 (南北海道)

 渡嘉敷亮 (沖縄)  中押し  △深沢隆行 (新潟)

△大表拓都 (富山)  3目半   飯塚淳史 (島根)

△古川元  (青森)  16目半  加藤大地 (滋賀)

 高橋宰志 (山形)  中押し  △朱吉男  (徳島)

 永代和盛 (神奈川) 中押し  △松田将典 (大分)

△内田直也 (熊本)  中押し   阿部績  (宮城)

△井場悠史 (東京)  5目半   岩井理直 (兵庫)

 奈良昌利 (群馬)  時間切れ △山村哲義 (長崎)

△牧野大樹 (福岡)  中押し   渡辺達也 (千葉)

△神野正昭 (石川)  4目半   松本憲二郎(鳥取)

 玉井一輝 (岐阜)  中押し  △川原哲朗 (佐賀)

【2回戦】

△河成奉  (招待)  中押し   江尻   (岡山)

 孫    (高知)  中押し  △坂倉   (広島)

 洪    (大阪)  中押し  △金井   (宮崎)

 高橋   (秋田)  12目半 △木村   (和歌山)

△田中正人 (招待)  2目半   大岩   (埼玉)

△加藤   (静岡)  中押し   山下   (京都)

△伊達   (香川)  14目半  吉成   (北北海道)

△北川貴浩 (招待)  中押し   癸生川  (栃木)

 小野   (山口)  7目半  △西村修  (招待)

 大表   (富山)  中押し  △渡嘉敷  (沖縄)

 古川   (青森)  23目半 △高橋   (山形)

 永代   (神奈川) 中押し  △三浦浩  (招待)

△平田博則 (招待)  3目半   内田   (熊本)

△奈良   (群馬)  5目半   井場   (東京)

 神野   (石川)  中押し  △牧野   (福岡)

 中園清三 (招待)  2目半  △玉井   (岐阜)

【3回戦】

 河    (招待)  中押し  △孫    (高知)

△洪    (大阪)  中押し   高橋   (秋田)

△田中正  (招待)  14目半  加藤   (静岡)

△伊達   (香川)  中押し   北川   (招待)

△小野   (山口)  反則    大表   (富山)

 永代   (神奈川) 5目半  △古川   (青森)

△平田   (招待)  中押し   奈良   (群馬)

 中園   (招待)  中押し  △神野   (石川)

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