ナタリー PowerPush - LAMA

フルカワミキ&田渕ひさ子インタビュー

田渕ひさ子インタビュー

01. 結成のきっかけ

インタビュー風景

──まず、LAMA結成のきっかけについて教えていただけますか?

ミキちゃんから「一緒にやりませんか」みたいなお話をいただいて。それまで面識はなかったんですけどね(笑)。対バンしたことも1回ぐらいしかなくて、あとはフェスですれ違ったことがあるぐらい。話したことはなくて、ちゃんと挨拶するのは初めてでした。

──どんなふうに声をかけられたんですか?

ミキちゃんがアルバムなりなんなりを制作するから、ギターを弾きませんか、一緒にやりませんかみたいな感じで誘われたんですよね。で、ナカコーさんもそのプロジェクトに参加して一緒にやるっていう話で、それで最初3人で会ったんです。カフェみたいなとこで「あっ、どうもどうもはじめまして」と(笑)。その場では、具体的にこういう音楽をやろうとかこういう感じにしたいっていうより、イメージをすり合わせるというか、3人がどういうふうなのかを知る感じで。

──お互い「どんな人なんだろうなあ」って感じですかね。

うん。でも会って話してみて、空気の流れる速さみたいなものが同じ気がして、一緒にできるかもって思ったんです。

──じゃあその場でフルカワミキプロジェクト、ゲストサポート田渕ひさ子っていう形ではなくて、一緒にバンドをやりましょうという話になったんですね。

うん、「一緒に作ろうよ」っていう感じでした。だから形式的にはバンド。

──バンド結成の瞬間ですね。

そうですね。ふふふふふ(笑)。「なんか面白いメンバーもう1人いないかしら」とか言いながら、喋ってました。時間にして1時間ちょいぐらいだったと思うんですけど。なんとなくそのカフェでかかってる音楽についてだとか、最近どういうの聴いてるだとか、田渕さんほかに何か楽器できるんですかとか(笑)。

──すごく濃密な1時間だったのでは。

でもなんかボソボソ、ボソボソ……と(笑)。お互いシャイなので。そんなに自分から「いやーどもどもー!」って行くタイプではないかもしれない(笑)。

──そういう面も、流れてる空気が似てたって感じたんですかね。

それはあるかもしれないですね。お互い空気が読み合える、そういうところはあるかも。

──で、ひさ子さんはbloodthirsty butchersやtoddle、それにサポートなどで精力的に活動されてますよね。そんな中、LAMAという新しいバンドを始めるのに、不安はなかったですか?

自分としてはないです。一緒にやる人が変われば出てくる音も変わるし、自分の気持ちの上でも変わるし。まあ傍から見てどうかなとはちょっと思いました(笑)。「あいつやりすぎてねえか」って言われるんじゃないかなって。

──ああ、すみませんそういう意味ではなく。体力的な面で心配はなかったかなと思ったんです。そんなきゃしゃな体のどこにそんなパワーが、と。

今は磯部さんのソロでサポートもやらせてもらってるので、確かにいっぱい現場がありますね。ふふふ。体力はそんなにないんですけど、体は丈夫だと思います(笑)。

02. 初対面の印象

──3人でやってみようよっていう話から、もう1人欲しいねっていう展開になったのはなぜですか?

1人って決まってたわけじゃなくて、一緒にやって面白そうな人だったら多分1人でも2人でもよかったんじゃないかな。でもほかにもメンバーを探そうみたいな雰囲気にはなってました。

──それはなぜなのかなと思ったんです。3人とも曲が作れて、歌えて、楽器が弾けて、ある意味3人でもきっと成り立ちますよね。もうちょっと面白いことができる人がいたら入れようか、というモードになったのは、何かきっかけがあったんですか?

うん……なんでだろうなあ。バンドだからかな、わかんない(笑)。でもそしたら、いつの間にか牛尾くんがメンバーになっていて。だから私、アー写の撮影のときまで牛尾くんと会ったことなかったんですよ。撮影のときに初めて「メンバーになりました、牛尾です」「ああ、どうもどうも」って挨拶を(笑)。

──どうでした? 自分と一緒にバンドをやる人とそこで初めて会って。

ミキちゃんとナカコーさんと牛尾くん、3人の会話を聞いてて「話しやすそうな人でよかった」って思いました(笑)。牛尾くんってなんか後輩キャラっぽいから、すごくツーンとした話しかけにくそうな人よりは、話しかけやすそうでよかったと思ったんですよね。あと、牛尾くんはミトくんと一緒に(2 ANIMEny DJ'sを)やってるじゃないですか。それで牛尾くんが、私と一緒にバンドをやるっていう話をミトくんにしたら「ああ、ひさ子ちゃんなら大丈夫だよ」って言われたとか(笑)。

──何が大丈夫だったんでしょうね。

怖い人だったら嫌だなって向こうも思ってたみたいで、それをミトくんに言ったら「全然大丈夫だよ」って。

──LAMAのメンバーは、お互い同士もさることながら、その周囲にいる人たちがふんわりつながってますよね。

そうですね。いろんな人を介してつながりがありました。

──だから、この4人が組んだというのは、皆さんの周囲にいるお友達のアーティストもびっくりしたんじゃないかと。

そうだと思います。バンドを組んだらしいっていうニュースが、まさにナタリーとかで流れたときに、いろんな人からメールが来ました。あははは(笑)。「Twitterのホットワードに『田渕ひさ子』って書いてあったからビックリしちゃったよー」って。あとは「スーパーロボット大戦みたい」とか(笑)。

03. バンド内での役割

──LAMAにおけるひさ子さんの役割は、自分ではなんだと思います?

うーん、なんだろうなあ。誰かわかってる人がいたらちょっと教えてほしい感じですね(笑)。なんとなく、ミキちゃんが社長で、ナカコーさんがプロデューサーで、私は職人みたいな感じなのかな、って思ってます。なんて言ったらいいのかな。ミキちゃんは敏腕女社長で、ナカコーさんが細かくタイムスケジュールを組み立てたりまとめたりする感じで、私はその会社にいる職人みたいな。

──ひさ子さんのギターは職人っぽいところが確かにあると思います。鳴らすべき音がしっかり自分の中にある感じで。

いやいや、それしかできない、みたいな感じです。そんな器用じゃないからなあ。役割は、今がんばって探してます。えへへへ。でも音の面で言うと、すごーくキレイにビシッとなってるところに、1人だけ人間臭い人がいるみたいな感じになってるんじゃないかと、客観的には思ってます。ピタピタピタッてキレイなところに、ちょっと汚し役というか、うわ、なんか人間臭い人いる!みたいな。

──なるほど。確かにLAMAの音楽は譜割りがキチッとされているようなイメージはありますね。

冷たいわけじゃないけど、すごく完成されてる感じ。けど、そこにちょっと熱を持ってる人がいる、みたいな。

1stシングル「Spell」 / 2011年8月3日発売 / Ki/oon Records

  • 初回限定盤[CD+DVD] / 1500円(税込) / KSCL-1827~1828 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 1020円(税込) / KSCL-1829 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. Spell
  2. one day
  3. Spell(2 ANIMEny DJ's Remix)

アーティスト写真

LAMA(らま)

中村弘二(Vo, G)、フルカワミキ(Vo, B)、田渕ひさ子(G, Cho)、牛尾憲輔(Programming)の4人からなるロックバンド。2010年12月結成。2011年4月、東京・WWWでKIMONOSと対バンを実施。これがお披露目ライブとなる。この模様はライブストリーミングチャンネル・DOMMUNEにて生中継され、約8万人が視聴した。同年8月に1stシングル「Spell」をリリース。