日本大百科全書(ニッポニカ) 「伊藤道郎」の意味・わかりやすい解説
伊藤道郎
いとうみちお
(1893―1961)
舞踊家。東京生まれ。初めは声楽家志望で三浦環(たまき)に師事し、1911年(明治44)帝国劇場歌劇部の『釈迦(しゃか)』で初舞台。翌年19歳で渡欧し、ダルクローズ・リズム体操学校に入学、初の東洋人生徒であった。第一次世界大戦直前にロンドンに渡り、イェーツ作の『鷹(たか)の井戸』を舞踊化し脚光を浴びた。16年渡米、のちにハリウッドで舞踊学校を経営。43年(昭和18)帰国。第二次大戦後は駐留軍のためのアーニーパイル劇場で芸術監督を務めた。門下生の真木竜子が作品を継承している。舞台装置家伊藤熹朔(きさく)、演出家千田是也(これや)の長兄である。
[市川 雅]