インド中銀が現金準備率を75bp引き下げ、利下げ観測高まる

[ムンバイ 9日 ロイター] インド準備銀行(中央銀行、RBI)は9日、現金準備率を75ベーシスポイント(bp)引き下げ4.75%とした。銀行システムの流動性ひっ迫の緩和を狙う。10日から実施する。
中銀は声明で「現金準備率の引き下げにより、生産性の高いセクターへのスムーズな融資流入に向け、金融システムへの恒常的な流動性の注入を決定した」と説明した。
この日の引き下げを受け、一部では、3月15日の金融政策見直しで、政策金利が引き下げられる確率が高まったとの見方が出ている。
市場ではこれまで、15日の金融政策見直しについて、現金準備率が50bp引き下げられる一方、利下げはないとみられていた。
インド中銀は、2010年3月から11年10月まで13回利上げしており、向こう数カ月以内に利下げが始まると予想されていたものの、来週には実施されないとの見方が大勢だった。
HSBCインディアのグローバル・マーケッツ部門を統括するヒテンドラ・デーブ氏は「現金準備率が政策会合の4―5日前、RBI総裁と財務相の会合の翌日に引き下げられたことは、3月会合の利下げはないとの見方に疑問を投げかける」と述べた。
ある外銀のシニアディラーは、この日の引き下げで、金利見通しが変わったと指摘。「50bpの引き下げでも、流動性の問題には対応できただろう。ただ、引き下げ幅がそれ以上だったことは、中銀のスタンスが変わっていることを意味しており、来週利下げされることも考えられる」と話した。
サンダラム・BNPパリバ・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、Srividya Rajesh氏は「(現金準備率の)大幅な引き下げは確かにサプライズだったことから、その点で市場、特に銀行にはポジティブな影響があるだろう」と指摘した。
ただ、同氏は来週の利下げは予想していないとし、「原油価格が高く、ルピーが再びやや下落したことから、利下げはまだ先になるとみている」と話した。

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