日経平均の下げは500円超・ドル99円台半ば、成長戦略に失望感

日経平均の下げは500円超・ドル99円台半ば、成長戦略に失望感
6月5日、東京市場は、午後の取引で株安・円高が進展した。写真は5月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 5日 ロイター] - 5日の東京市場は、午後の取引で株安・円高が進展した。安倍晋三首相が同日午後に発表した成長戦略第3弾に対し、日本経済全体へのインパクトが小さいとの失望感が広がり、日経平均<.N225>は前日比500円を超す下落となり、ドル/円も一時、99円半ば付近まで円高が進んでいる。
午後の株式市場は、大幅な変動に見舞われた。安倍首相による成長戦略第3弾の発表直後はいったん前日比150円を超える上昇となったものの、次第に「事前報道通りで目新しい内容でない」(外資系証券)との見方が広がり、前日比マイナスに転じた。日経平均株価の終値は、前日比518円89銭安の1万3014円87銭。1万3000円はかろうじて回避した。市場関係者の間で、海外勢の一部に失望感が台頭しているとの見方も浮上するなか、午後2時半前から下落幅は急拡大した。「ヘッジファンドからとみられる国債先物買い・株式先物売りの仕掛け的な注文が出た」(大手証券)との声もあった。
外為市場でも、成長戦略第3弾に対し「小粒の印象は否めない」(大手信託銀)、「法人税率の引き下げなど、日本のボトルネックになっている部分に踏み込まなかったことで失望感が広がっている」(外資系証券)との辛口評価が表面化。日経平均が下落するにつれ、ドル/円は一時、99円半ば付近まで円高が進んだ。
円債市場では、株安・円高の進展を受け、国債先物中心限月6月限が一時、前日比52銭高の143円02銭と2営業日ぶりに143円台を回復。10年最長期国債利回り(長期金利)はいったん同3.5bp低い0.840%まで低下した。
(田巻 一彦 編集;宮崎大)

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