韓国中銀が利下げ、政策金利は過去最低の1.75%:識者はこうみる

韓国中銀が25bp利下げ、政策金利は過去最低の1.75%=識者はこうみる
 3月12日、韓国銀行(中央銀行)は、政策金利を2.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低の1.75%にすることを決めた。ソウルで2010年10月撮影(2015年 ロイター/Lee Jae-Won)
[ソウル 12日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は12日、政策金利を2.00%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ過去最低の1.75%にすることを決めた。利下げは昨年10月以来、5カ月ぶり。
他の中央銀行と同様、低迷する経済をテコ入れするため、利下げに踏み切った。市場は据え置き予想が大勢だった。市場関係者のコメントは以下の通り。
<大信証券のエコノミスト デビッド・キム氏>
韓国は、いわゆる「通貨戦争」に参戦したと考えられ、追加利下げの道が開かれた。中銀は4月の状況をみて、5月か6月に再び利下げする可能性がある。
利下げだけで内需が刺激されるとは期待しづらく、さらなる刺激政策と合わせる必要がある。
家計部門の債務は極めて重要な問題ではない。中銀は、ローン金利の負担を緩和するための利下げを時々は検討する必要があるが、中銀にとって最も重要な問題は内需の鈍化だと思う。
<NH投資証券の債券ストラテジスト、キム・ジマン氏>
意外な決定だ。年内の利下げは見込んでいた。国外の情勢を踏まえると次の利上げは後ずれしそうだ。
今回の決定は現状維持はできないという中銀の姿勢を示しているようだ。先月の総裁発言からは利下げを躊躇(ちゅうちょ)しているように思えたが、経済指標は景気への信認を高めるには至らなかった。
内需の重要性が増している。家計債務の問題は3―4年続いており、構造改革が必要だ。
<HSBC(香港)のエコノミスト、ロナルド・マン氏>
きょうの決定の根拠は、弱含みする経済見通しとデフレ圧力だ。
2015年第3・四半期に25ベーシスポイント(bp)の追加利下げが実施されるというのがわれわれのベースシナリオ。政策金利は1.5%となる。日本のエコノミストが来月の実施を見込む日銀の追加緩和を前提に予想している。
円安で、韓国の成長見通しにさらなる下押しリスクがのしかかる。
*見出しを修正しました。

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