米国で25年ぶりプルトニウム生産再開、宇宙探査機向けに

[ケープカナベラル(米フロリダ州) 18日 ロイター] 米エネルギー省は、宇宙探査機の動力源に使用する非兵器級プルトニウムの生産を再開した。同国が非兵器級プルトニウムを生産するのは25年ぶり。米航空宇宙局(NASA)が18日明らかにした。
米国は探査機用の放射性物質であるプルトニウム238をサウスカロライナ州サバンナリバーの原子炉で生産していたが、1980年代後半に安全上の問題から生産を中止。ロシアからの購入に切り替えたが、同国からの供給も2010年に終了した。
プルトニウムは熱を発する性質を持つことから動力源に利用され、現在でも火星探査車「キュリオシティー」や土星探査機「カッシーニ」などに使われている。
NASAとエネルギー省は、年間1.5─2キロのプルトニウム238を生産する計画。また、NASAは従来の4倍のエネルギーを生み出せる発電装置も開発中で、2016年にも完成する予定だという。

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