イタリアが3兆円規模の緊縮策、増税や年金支給年齢引き上げ

イタリアが3兆円規模の緊縮策、増税や年金支給年齢引き上げ
 12月4日、イタリアのモンティ首相は、増税や年金支給開始年齢の引き上げを含む300億ユーロの緊縮財政策を明らかにした。(2011年 ロイター/Remo Casilli)
[ローマ 4日 ロイター] イタリアのモンティ首相は4日、300億ユーロ規模の緊縮財政策を発表した。付加価値税率引き上げ、不動産税の再導入、年金支給年齢の引き上げなどを盛り込んでいる。
対策は、2012―14年に渡る200億ユーロの緊縮財政措置と、100億ユーロの経済成長促進策の2つに分けられる。
モンティ首相は記者会見で、緊縮策は痛みを伴うがイタリアにとって不可欠なものだと指摘、「われわれは犠牲を分かち合う必要に迫られたが、それを公正に分担するため大きな努力をしてきた」と述べた。首相および兼任する経済相としての自らの報酬を返上する考えも示した。
これに対し労組側は、緊縮策は貧困な労働者や年金生活者に不釣り合いなほど大きな打撃を与えると批判したが、政治的な対抗策を示す兆しは見せていない。
グリリ経済次官によると、300億ユーロのうち120―130億ユーロは歳出削減、残りは増税で捻出する。
具体的には、年金のインフレ連動制を廃止するとともに、70歳までの雇用を促すインセンティブを導入する一方で、年金の支給開始年齢を男女とも段階的に2018年までに66歳に引き上げる。
新たな増収策の多くは不動産税の再導入によるもので、100―110億ユーロの調達を見込む。
また、来年9月から付加価値税の税率を2%ポイント引き上げると同時に、ヨットや一部車種などぜいたく品に対する新税も導入する。
課税逃れ対策としては、1000ユーロを超すキャッシュ取引を禁止するほか、企業の営業時間を自由化し、医薬品や運輸セクターの競争を促す。
コスト削減のため地方政府の機能も縮小する。
*内容を追加して再送します。

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