門前村(近世)

　江戸期～明治22年の村名。多摩郡野方【のがた】領のうち。村高は137石，うち田97石余・畑39石余，すべて旗本米津氏の知行地。ほかに浄牧院領10石があった（田園簿）。「元禄郷帳」では147石，化政期の家数は20軒（新編武蔵）。享保・元文年間に多少の新墾があり，天保年間195石・18戸となる（天保郷帳）。幕末は龍ケ崎藩領137石余，浄牧院領９石余（旧高旧領）。村中央の米津氏陣屋跡は殿屋敷と称す。水利は東流する黒目川を利用（新編武蔵）。隣接する神山【こうやま】村に飛地があった。鎮守は氷川社。明治５年神奈川県，同11年北多摩郡に所属。同22年久留米村の大字となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7301681