100辞書・辞典一括検索

JLogos

22

上村君村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。埼玉郡羽生【はにう】領のうち。古くは太田荘村君郷に属したという。中世の太田荘村君郷が江戸初期に分村して成立。はじめ幕府領,元文年間一部が旗本中根・興津氏の相給となり,延享3年残余の幕府領は上野館林藩領,天保7年館林藩領が出羽長瀞【ながとろ】藩領となる。幕末には出羽長瀞藩領と旗本中根・興津氏の相給,明治2年出羽長瀞藩領は常陸竜ケ崎藩領となる。検地は寛永8年・承応3年。村高は「田園簿」で965石余,「元禄郷帳」1,148石余,「天保郷帳」1,148石余。村の規模は東西7町・南北10町。高札場は3か所。化政期の家数166軒。鎮守はもと飛来石社といい,化政期には避来矢社といった。神社はほかに4社。寺院は新義真言宗竜王山観音寺総徳院・羽黒派修験愛宕山安楽寺。明治4年埼玉県に所属。同9年の戸数154・人口759,馬13,渡船2。物産は米・麦・大豆・ソバ・酒・醤油・酢・蚕卵紙・無地紺・木綿縞などで,余剰は羽生・行田【ぎようだ】・加須【かぞ】各町に出荷。明治初年安楽寺廃寺。同7年総徳院に上村学校が開校。同12年北埼玉郡に所属。同22年村君村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7286691