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処刑されたはずの李永吉・前人民軍総参謀長が復活

登録:2016-05-10 23:44 修正:2016-05-11 07:45
政治局候補委員に選任 
「対北朝鮮消息筋」の信頼性に疑問 
2月10日、対北朝鮮消息筋を引用して李永吉総参謀長が不正容疑で粛清されたと報じたYTN放送のニュース速報//ハンギョレ新聞社

ミサイル指揮したキム・ナッキョム 
戦略軍司令官は中央軍事委員から排除 
ムスダン3回失敗の問責可能性

 処刑されたと言われていた李永吉(リヨンギル)前人民軍総参謀長は生きて戻ってきて、順調だと思われていたキム・ナッキョム戦略軍司令官は礼遇された。

 労働党機関紙の労働新聞が10日に報じた朝鮮労働党中央委員会第7期第1回全員会議(9日)の人選内容によると、李永吉・前総参謀長が中央軍事委員と政治局候補委員に選任された。 李前総参謀長は2月に電撃処刑されたと知らされた人物だ。 当時、連合ニュースなどは「対北朝鮮消息筋」を引用して李永吉総参謀長が分派分子および派閥勢力・不正容疑で処刑されたと報道した。

 マスコミがたびたび引用する「対北朝鮮消息筋」とは国家情報院である場合が多い。 国家情報院は敏感な北朝鮮情報や諜報を特定報道機関に流して報道させるが、その出処が国家情報院であるという事実を隠したい時に多用するのが「(精通した)対北朝鮮消息筋」だ。連合ニュースは9日、李総参謀長の任命事実を伝える記事で「国家情報院が粛清されたと把握した李永吉」と表現して、3カ月前に「李総参謀長が粛清された」と伝えた「対北朝鮮消息筋」が国家情報院であることを表わした。 李前総参謀長の処刑説は国家情報院の情報失敗事例と見られる。

 北朝鮮のミサイル部隊を指揮するキム・ナッキョム戦略軍司令官は、労働党中央軍事委員会委員から排除された。 キム司令官は2012年3月に戦略ロケット軍(戦略軍の前身)司令官に就任した後、1カ月だけ党中央軍事委委員に任命され、昨年は人民軍大将に昇進するなど常勝疾走していた。 今回の排除は北朝鮮が先月ムスダン・ミサイルを3回発射したが全て失敗したことに伴う問責性人事かもしれないという指摘がある。 射程距離が3~4千キロメートルで太平洋の米軍グアム基地を打撃できると知られたムスダンの発射失敗で、第7回党大会を控えて核弾頭運搬システムの完成を政治的功績として掲げようとしていた金正恩(キムジョンウン)党委員長の計画に支障が生じたということだ。

パク・ビョンス、キム・ジンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/743246.html 韓国語原文入力:2016-05-10 19:49
訳J.S(1035字)

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