地下式原子力発電所の想定事故時における核種の地中格納効果の評価手法

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抄録

地下式原子力発電所の仮想的な原子炉の事故として, 冷却系の能力に支障が生じた場合, 放射性核種を含むガスが地下空洞に放出される。そして空洞内の温度, ガス濃度および気圧が上がり, ガスが空洞より地盤中を通って地表に漏えいしたり, ガス状および非ガス状の核分裂生成物の溶解した地下水によって放射性核種が移動することが想定される。以上のような移動経路を有限要素法を用いて, 地下空洞の土かぶり30mとし, 我が国の海岸山腹斜面によく見られる岩質を想定して, 仮想事故時における地下水面より上部の気相中におけるよう素, クリプトンの移動の解析を行っている。その結果, よう素は地盤中の固相への付着が期待できる核種であり, 地下式の場合に大気中に漏えいするよう素の量は地上式の約10^<-5>に減少する。希ガスは地盤中への固への付着が期待できない核種であるにもかかわらず, 地下式の場合に大気中に漏えいするクリプトンの量は地上式の約10^<-2>に減少することを見い出した。

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