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「SUBARU(スバル)」ブランドで知られる自動車メーカー・富士重工業が4月1日、社名を「SUBARU」に変更する。世界の自動車市場は、独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車など、1000万台前後の販売規模を誇る巨大グループがしのぎを削る。北米市場での販売が好調で現在は好業績を維持しているものの、販売台数が約100万台に過ぎないスバルは、その名の通り、今後も世界の自動車市場で輝きを放ち続けられるのか。佃モビリティ総研代表の佃義夫氏が分析する。
北米市場で好調、高い利益率
富士重工業は、1917年に創設された「飛行機研究所(後の中島飛行機)」が前身。今年、創設100周年を迎えたのを機に、ブランド名と社名を「SUBARU(スバル)」で統一することになった。
スバルは、自動車メーカーとしては中堅に位置づけられるが、近年、目覚ましい業績向上で存在感を強めている。特に連結売上高営業利益率は、2016年3月期が17.5%、17年3月期は12.4%の見通しで、日産自動車やホンダはもとより、トヨタ自動車(16年3月期で10.0%)をもしのぐ高い利益率を示している。
スバルが数ある自動車メーカーの中で最も高い利益率をはじき出しているのは、同社の世界販売の約6割を占める北米市場での販売が好調なせいだ。スバル車の人気が高く、インセンティブ(販売奨励金)をあまりかけなくても売れるため、1台当たりの利益が大きいのだ。
だが、その一方、保護主義的な政策を掲げる米トランプ政権の発足により、スバルの北米依存度の高さをリスクと捉える向きがある。また、トヨタ、VW、米ゼネラル・モーターズ(GM)、仏ルノー・日産といった巨大メーカーに資本力で劣るスバルが、クルマの電動化や自動運転といった先進技術の展開についていけるのか、今後を危惧する声があるのも事実だ。
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