12月末の家計金融資産、過去最高の1741兆円 海外勢の国債保有1割超
日銀が25日に発表した2015年10~12月期の資金循環統計(速報)によると、15年12月末の家計が保有する金融資産は前年比1.7%増の1741兆円だった。15年6月末時点の1734兆円を上回り、現在の基準で比較できる2005年3月末以降の最高を記録した。金融資産の約半分を占める現金・預金が前年比1.3%増の902兆円で過去最高を更新したほか、投資信託や株式の保有残高が増加した。
民間企業が保有する金融資産のうち、現金・預金の残高は前年比7.9%増の246兆円で、過去最高だった。一方、対外直接投資も前年比5.6%増の110兆円で過去最高となり、「企業は手元資金を厚めに持つだけではなく、設備投資も増やしている」(日銀調査統計局)という。
金融機関貸し出しは前年比1.8%増の772兆円で過去最高だった。家計向けの貸し出しが住宅借り入れの増加などを背景に3.0%増えて、270兆円と過去最高を記録した。
国債の保有者の内訳をみると、12月末時点で日銀が保有する国債残高は前年比29.5%多い331兆円だった。保有者全体に占める比率は32.0%で、残高、保有比率とも過去最高を更新した。
海外勢の国債保有残高は前年比18.1%増の110兆円で、こちらも過去最高だった。保有比率は10.6%で初めて1割を超えた。一方で銀行の保有残高は前年比19.9%減の238兆円、保有比率は23.0%でいずれも過去最低を記録した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕