素人参加バラエティの草分け『ぎんざNOW!』を語ろう

ラビット関根、竹中直人らを生んだ
週刊現代 プロフィール

青柳 木曜日はフォーク&ロックの日。クイーンやキッス、ヴァン・ヘイレンなど、今じゃ考えられないような海外の大物アーティストにもゲスト出演してもらいました。

せんだ 若者に対する宣伝効果が一番高いのがこの番組だと、彼らをマネジメントしていたエージェントが考えたってことですよね。

青柳 そう。だから、どれだけ大物アーティストでもゲスト出演者は全部ノーギャラ。そもそも当初の制作費は1本25万円だったからギャラなんて払えっこない。

せんだ 25万円? ホントですか? そういえば、僕のギャラも1本2万円だったっけ。でも、制作費がそんなに安かったとは、今日初めて知りました。

 

青柳 亡くなった坂本九ちゃんが、この番組に出たいと言ってきたことがありました。

でも、当時の九ちゃんのギャラは1本20万円ぐらいでしたから、それだけで制作費がなくなってしまいます。だから、仕方なく断ったのですが、「ギャラはいらないから」というので、一度だけ出演してもらいました。

せんだ たしかユーミンさんも出てますよね?

青柳 ええ。当時、荒井由実だったユーミンが初めてテレビ出演したのがこの番組でした。ところが放送当日、たまたま重大事件が発生。ユーミンが歌っている途中で報道番組に切り替わってしまった。

それ以来ユーミンは、「青柳さんを絶対信じない」と言って、テレビ嫌いになっちゃった(笑)。

Photo by GettyImages

せんだ 番組からは、大場さんをはじめ、榊原郁恵さん、太田裕美さんといったアイドルのスターも誕生しました。会場にはアイドル目当ての中高生もいっぱい来た。

学校単位で観覧希望者を募集した学校招待席には、いかにも悪そうな中高生がズラッと並ぶこともあり、「この子たち、本当に大丈夫なの?」って、他のテレビ局の人たちはびっくりしてたみたい。

大場 最前列の前にはいちおうロープが張られていて、警備員の人も何人か座っていましたが、本当に目の前で歌っていましたからね。手が届きそうなところまで近づくこともありました。

せんだ それでも事故が起こらなかったのは奇跡かもしれないね。あんな欲望の塊のような若い男たちの目の前で、アイドルが歌ってたんだから。

大場 親衛隊の人たちが守ってくれていたんです。いつも最前列に陣取って、なにか騒動が起きそうになると、すぐに親衛隊が抑え込んでくれました。生放送中に何度かそういうシーンを目撃しています。

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