島根半島、ジオパークに 茨城県北は初の認定取り消し
学識経験者らでつくる日本ジオパーク委員会は22日、貴重な地形や地質が残る自然公園「日本ジオパーク」として「島根半島・宍道湖中海」(島根)を新たに認定した。また認定済みの10地域の定期審査を実施した結果、運営体制に問題があるとして「茨城県北」(茨城)の認定を取り消した。他の9地域は認定を続ける。
日本ジオパークは計43地域になった。2008年の認定開始以降、取り消しは初めて。
島根半島・宍道湖中海ジオパークは、海底火山の活動などで生まれた半島を中心に、国内有数の汽水域である宍道湖、中海などからなる。
地元自治体を中心とする協議会は当初「国引き」の名称で申請したが、9月の審査で「神が土地を引き寄せたという『国引き神話』と地形の成り立ちに関する科学的な説明が混同される」と認定を保留されたため、名称を変更した。
茨城県北の運営については、委員会は2年前に「地元自治体や住民団体などの連携が不十分」と指摘し、条件付きで認定を継続していたが、現在も改善されていないと判断した。今後はジオパークの名称やロゴマークが使えなくなる。
認定継続が決まった9地域は、三笠(北海道)、とかち鹿追(同)、三陸(青森、岩手、宮城)、下仁田(群馬)、佐渡(新潟)、四国西予(愛媛)、おおいた姫島(大分)、おおいた豊後大野(同)、桜島・錦江湾(鹿児島)。
ただ委員会は、三陸は「地元協議会が広大なジオパーク全体を統括的に管理・運営できていない」と指摘。佐渡は「世界遺産を目指す取り組みとの関連付けが不十分。保全の在り方にも課題がある」とし、いずれも条件付きの認定継続とした。2年後の審査までに改善されなければ、取り消しとなる。〔共同〕