北朝鮮拉致

田口八重子さん、田中実さん拉致から40年 浮かび上がる工作組織のネットワーク

【北朝鮮拉致】田口八重子さん、田中実さん拉致から40年 浮かび上がる工作組織のネットワーク
【北朝鮮拉致】田口八重子さん、田中実さん拉致から40年 浮かび上がる工作組織のネットワーク
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 拉致被害者、田口八重子さん(62)=拉致当時(22)=と、田中実さん(68)=同(28)=が北朝鮮に連れ去られて6月で40年が過ぎた。事件当時、日本国内には数多くの北朝鮮工作組織が存在し、それぞれが暗躍。2人に接点はみられないが、拉致に関与したとみられる工作員や工作組織は密接につながっていた疑いが浮上している。

 田口さんは事件当時、2人の幼子を育てるため東京・池袋の飲食店で働いていた。客の中に、田口さんに会うため頻繁に通いつめた羽振りの良い常連がいた。「宮本明」を名乗ったこの人物は、北朝鮮から潜入した工作員を支援する在日の補助工作員「李京雨(リ・ギョンウ)」だったことが警察当局の調べで判明している。

 「李京雨」はさまざまな外事・テロ事件で捜査線上に浮かんだ人物だった。

 1987(昭和62)年の大韓航空機爆破事件の実行犯、金勝一(キム・スンイル)工作員(自殺)が所持していた「蜂谷真一」名義の不正旅券の入手に関与。もう一人の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員(56)の日本人化教育を担当させられたのが田口さんだったことをみれば、大韓航空機事件は「李京雨」が介在していた工作活動のネットワークの中で起きたことが分かる。

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