世田谷区役所本庁舎の建て替え 工期先延ばし最大8カ月 区長「賠償も協議」

2023年5月31日 07時21分

世田谷区本庁舎の奥に建設中の新庁舎東棟=世田谷区で

 二〇二七年十月に完成予定の東京・世田谷区本庁舎の建て替え工事を巡り、施工業者の大成建設が三十日、区役所で会見し、工事の遅れで、当初今年七月としていた一期工事終了が最大八カ月先延ばしになると明らかにした。一部役所機能の先行移転が遅れる上、仮庁舎の賃借料など新たな支出が発生する可能性もある。(原田遼)
 建て替えは整備費約四百五十億円で、二一年七月から三期に分けて行う計画。同社によると十階建ての東棟の工事で、コンクリートを固める作業の工期などを短く算定していたことが原因。新たな工期は六月九日までに区に報告する。完成時期への影響について検証中で、さらに遅れる可能性も否定しなかった。
 一期目の工期延伸は、二カ月延びると公表した昨年十二月に続き二度目。同社の中村有孝常務執行役員は「弊社の落ち度で、重く責任を感じている。おわび申し上げる」と謝罪した。

世田谷区本庁舎建て替え工事の遅れを謝罪する大成建設の中村有孝常務執行役員(中)=世田谷区役所で

 区によると、今年十月に一期工事で完成した部分に区長室や議場を移転する予定だった。工事の発注額に変更はないが、二期工事以降に一部の部署を都の施設で運営するため、全体の工期が延びれば、その期間の賃借料が増える可能性がある。保坂展人区長は「施工者の説明はにわかに信じがたい。直接、間接の影響に対しての損害賠償についても協議する」とコメントした。 

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