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閉校舎活用し小・中学校 「きのくに学園」来春開校へ 東彼杵町 自主性尊重の教育100人規模

 子どもたちの自主性を尊重した教育で知られる学校法人「きのくに子どもの村学園」(和歌山県)が、児童数の減少で閉校した東彼杵町の旧小学校校舎に、児童・生徒100人規模の小、中学校2校を新設する計画を進めている。町は旧校舎や体育館などを無償で貸し出す予定で、同学園は2019年4月の開校を目指す。

 同学園の学校開校は、九州では北九州市に続き2カ所目。東彼杵町が16年3月に閉校した旧音琴小の跡地利用を公募したところ、学園側が計画を申請した。

 学園によると児童72人の小学校と生徒45人の中学校を計画しており、体験学習中心の授業や、子どもたちが学習計画や行事を決める自己決定の原則など学園の基本方針に基づく教育を行う考え。児童・生徒の半数は町外からの転入学を想定しており、学園は子どもたちが生活する寮も近くに設ける予定。

 現在は県に認可を申請している段階だが、町は昨年12月の町議会定例会に旧音琴小体育館の貸し出しを可能にする条例改正案を提案、可決した。渡辺悟町長は「人口増や地域活性化などの効果に加え、学園の教育は町内の他の小中学校にも刺激になる」と歓迎する。

 文部科学省によると、2002~15年度に児童・生徒数の減少などで閉校した全国の小中高校(分校含む)は6811校。学園には全国の自治体から閉校した校舎の利用申し出が相次いでいる。堀真一郎学園長は「長崎は自然が豊かで、鎖国時代に西洋文化に触れ、被爆地でもある特別な地域。ここで私たちが理想とする教育を実現したい」と意気込む。

【ワードBOX】きのくに子どもの村学園

 「世界で一番自由な学校」と称される英国のサマーヒル・スクールを創設したA・S・ニイル(1883~1973)の教育を実践しようと、元大阪市立大教授の堀真一郎学園長が1992年に設立。異なる年齢の子どもでクラスを編成、「プロジェクト」と呼ぶ体験学習などユニークな教育で知られる。和歌山、福井、山梨県と北九州市に小、中学校など9校を運営、約600人が学んでいる。

=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=

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