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三好、走攻守そろう プロ野球ドラフト

2020/10/27 09:24

中日から6位指名を受け、バットを手に笑顔でポーズをとるJFE西日本の三好大倫外野手=JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)本館見学センター
中日から6位指名を受け、バットを手に笑顔でポーズをとるJFE西日本の三好大倫外野手=JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)本館見学センター

西武から育成5巡目で指名され、ボールを手にポーズをとる四国学院大の水上由伸投手=四国学院大
西武から育成5巡目で指名され、ボールを手にポーズをとる四国学院大の水上由伸投手=四国学院大

 プロ野球のドラフト会議が26日、東京都内で開かれ、県関係は三本松高出身の三好大倫外野手(JFE西日本)が中日から6位指名された。県出身者の本指名は、現ヤクルトの松本直樹(丸亀高出)以来3年ぶり。また、西武の育成5位で四国学院大の水上由伸投手が指名された。同大出身のプロ入りは3人目となる。

 近大の佐藤輝明内野手は阪神、早大の早川隆久投手は楽天が、ともに1位指名で4球団競合の末に、抽選で交渉権を獲得した。佐藤にはオリックス、阪神、ソフトバンク、巨人、早川にはヤクルト、楽天、西武、ロッテの指名が重複した。

 中日は地元の愛知・中京大中京高の高橋宏斗投手、日本ハムも本拠地北海道の苫小牧駒大の伊藤大海投手を単独で1位指名。広島はトヨタ自動車の栗林良吏投手、DeNAは明大の入江大生投手を単独指名した。

 外れ1位では法大の鈴木昭汰投手にヤクルトとロッテの指名が重複し、ロッテが交渉権を得た。オリックスは福岡大大濠高の山下舜平大投手、西武は桐蔭横浜大の渡部健人内野手、ソフトバンクは埼玉・花咲徳栄高の井上朋也内野手、巨人は亜大の平内龍太投手を指名。抽選で2度敗れたヤクルトは慶大の木沢尚文投手を指名した。

■三好、走攻守そろう 野手転向2年 夢実る 三本松高から社会人へ 中日6位
 投手から外野手に完全に転向し、わずか2年でアピールが実った。中日から6位指名を受けたJFE西日本(広島)の三好。幼い頃からの夢が実現し、「中日は今セ・リーグ2位と強く、たくましい。自分もチームを勝たせられる選手になりたい」と声を弾ませた。

 ここまでの道のりは険しかった。三本松高卒業後の2016年4月、投手としてJFE西日本硬式野球部に入部し、1年目は投手と野手の二刀流で、2、3年目は投手一本で勝負したが、なかなか結果が出ない。社会人選手とプレーする環境で壁にぶつかった。

 「このままだとクビになるかもしれない」。考え抜いた末に出した決断は「野手への転向」だった。野手メインでプレーするのは高校1年時以来で、長いブランクを埋めるには「がむしゃらに練習するしかなかった」。

 「チームで人一倍バットを振る」―。同じ左打ちの近本(阪神)を参考にしながら、打撃フォームは毎日のように試行錯誤を繰り返した。その地道な努力は実り、4年目からは外野の定位置を獲得。パンチ力のある打撃に加え、高校3年時には最速144キロの直球を投げ込んでいた強肩や50メートル5秒8の俊足がセールスポイントとなり、スカウトの目を引いた。

 走攻守の三拍子がそろった外野手として、プロ入り後は「(中日で不動の中堅手)大島さんを超えるような選手になりたい」と語り、会見では色紙に「新人王」と1年目の目標を書き込んだ。

 社会人以上に厳しい世界での戦いがこの先に待ち受けているが、「プロで活躍することがJFEへの恩返し。しっかり勝負していきたい」と力強く語った。

略歴
  三好 大倫
(みよし・ひろのり)外野手 東かがわ市(旧白鳥町)出身。白鳥中、三本松高を経て、2016年4月にJFE西日本硬式野球部入部。3年目の終わりに自ら志願して投手から野手に本格転向し、4年目以降は外野手として活躍。179センチ、82キロ。左投げ左打ち。23歳。

■水上(四国学院大)「はい上がる」 プラス思考の右腕 西武育成5位
 山梨・帝京三高3年時に、プロ野球志望届を提出。しかし、名前は呼ばれなかった。あの日から4年。西武から育成5巡目で指名を受けた四国学院大の水上は「4年前より緊張したし、心臓に悪かった。名前を呼ばれて鳥肌が立った」と喜びをかみしめた。

 長野県出身。高校は高いレベルを求めて地元を離れ、投手としては最速144キロ。野手としても50メートル6秒の俊足と強打を披露し、プロ注目選手となった。

 四国学院大に進学したきっかけは前監督で昨年逝去した橋野純さんだった。プロの夢が叶わなかった水上に真っ先に声をかけてくれたからだ。

 大学では野手として1年春からレギュラー。再びマウンドに立ったのは3年の夏。現指揮官の中尾明生監督が転向を指示したが、「実はずっとピッチャーの練習もしていた」と右腕。リーグ戦で最多勝を獲得するなど結果を出し、今秋には最速150キロをマークした。

 性格は自他共に認めるプラス思考。だからこそ高校時の悔しさを力に変え、成長できた。夢をつかんだ22歳は「指名順位は関係ない。プロで求められるのは結果。必ずはい上がる」。全てをぶつける覚悟を口にし、「野球が大好き。何時間でも練習します」と底抜けに明るい笑顔で宣言した。

略歴
 水上 由伸
(みずかみ・よしのぶ)投手 長野県出身。山梨・帝京三高3年の夏にエースとして県大会4強。高校通算15本塁打。四国学院大では2年春に首位打者。3年夏に投手に本格転向し、秋に最多勝利と最優秀防御率を獲得。最速150キロ。176センチ、81キロ。右投げ右打ち。22歳。

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