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新社名「ハピラインふくい」 並行在来線三セク会社 福井の60代男性考案

2022年3月29日 05時00分 (3月29日 10時20分更新)

社名に内定した「ハピラインふくい」と書かれたボードを掲げる杉本知事(左)と小川社長=28日、福井市の県国際交流会館で(蓮覚寺宏絵撮影)


 二〇二四年春の北陸新幹線金沢−敦賀間開業に伴いJRから経営分離される並行在来線(現JR北陸線)で、県内区間の運行を担う第三セクター会社の社名が「ハピラインふくい(愛称・ハピライン)」に内定した。杉本達治知事と小川俊昭社長が二十八日、福井市内で会見し、発表した。六月の株主総会で定款変更の決議を経て、七月から社名を変更する。 (山本洋児)
 現在の社名は「県並行在来線準備会社」となっている。新しい社名は、県民に親しまれている「ハピネス(幸せ)」と「ライン(鉄道路線)」の英単語を組み合わせた。地域に密着した県民鉄道が、人とまちを線でつなぎ、幸せな福井の未来をつくるとの意味が込められた。
 福井市の六十代男性が考案した。賞金二十万円が贈られる。杉本知事は「ハッピーは福井県の代名詞。福井らしさが前面に出ている。鉄道をラインと置き換えることで新しさもある。外国人にも分かりやすい」と説明。社名に鉄道の文字が入っていないことを踏まえ「ロゴマークも決め、車両や駅名標、制服などに使いながら、浸透を図りたい」と述べた。小川社長も「県民に愛着を持ってもらえるよう、あらゆる機会を通じてPRに取り組みたい」と語った。
 社名は七月の本格会社移行に向けて昨年十二月一日〜一月十六日に公募。全国から一万六千七百九件の案が寄せられた。うち二割が「幸せ」の関連だった。学識経験者らでつくる検討委員会が最終候補の五案を選定。同社が二十八日の取締役会で内定した。
 全国の並行在来線八社の社名は全て公募で決定し、いずれも鉄道という表記が入る。北陸は富山県が「あいの風とやま鉄道」、石川県が「IRいしかわ鉄道」となっている。

 乗客の増加目指す 行政、経済界、民間で協議会

 並行在来線の乗客増を目指し、行政と経済界、利用者団体などが二十八日、利用促進協議会を設立し、初会合を福井市宝永三の県国際交流会館で開いた。二〇二二年度は百五十万円の事業予算を持ち、関係者が一丸となり県民鉄道への転換を図ることで一致した。
 規約に従い、会長には杉本達治知事が就任した。副会長は、会長の指名で東村新一福井市長と八木誠一郎県商工会議所連合会会頭が就任した。協議会の設立に当たり、杉本知事は「利用者、市町、県が一体となって利用の輪を広げることが大切。一日二万人の利用者目標を維持するため、県民に親しまれる鉄道を目指したい」とあいさつした。
 事業計画では利用促進に取り組む地域活動に対し、奨励金を贈る。駅周辺の自治会など七団体に各十万円を想定。イベント開催や環境美化などが対象で、最終的には全ての駅でサポーター団体がある状況を目指す。専門家との意見交換や先進事例の調査も進める。
 利用促進協議会は年一回の開催を予定している。実務レベルの幹事会も開いていく。利用促進協議会は、経営計画策定で対策協議会が解散したことを受け、県観光連盟や県自治会連合会などを新たなメンバーに加え、生まれ変わった。経営計画の進捗(しんちょく)管理などにも当たる。 (山本洋児)

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