静岡鉄道から熊本電気鉄道へ譲渡された1000形1編成(1009・1509号車、2両編成)が27日、藤崎宮前~御代志間で運行開始した。1000形の入線を記念し、4月10日に北熊本駅車庫内にて展示撮影会も開催される予定となっている。

  • 静岡鉄道から熊本電気鉄道へ譲渡された1000形(1009・1509号車)。藤崎宮前~御代志間で運行開始した

熊本電気鉄道で運行開始した1000形(1009・1509号車)は、1979(昭和54)年に東急車輛(現・総合車両製作所)で製造され、静岡鉄道で約40年間にわたり活躍した車両。静岡鉄道は2021年2月、新型車両の導入にともない引退する2編成について、1009号を熊本電気鉄道、1010号をえちぜん鉄道へ譲渡すると発表した。熊本電気鉄道はFacebookページにて、2022年2月に1000形が北熊本車両工場へ搬入されたことを報告している。

1000形の運行開始も熊本電気鉄道のFacebookページにて発表された。整備等が整ったことを受け、3月27日から1000形の運行を開始し、同日の藤崎宮前駅9時55分発・11時25分発・14時25分発・15時55分発(いずれも御代志行)の列車等で運行。藤崎宮前駅では1000形の運行開始に合わせ、先着100名に静岡茶をふるまうイベントも行われたという。

運行開始当日、晴天に恵まれ、沿線の桜も満開を迎える中、1000形はステンレス製の車体を輝かせ、藤崎宮前~御代志間を往復する運用に就いた。静岡鉄道時代からの特徴だった、車体前面の3色ストライプも健在。一方、行先表示器をLED化し、車体側面に熊本電気鉄道の社章を貼付するなどの変更も見られる。車内はロングシートで、各号車の連結部側に1カ所ずつ車いすスペースを設置。静岡鉄道時代の写真(静岡鉄道提供)とともに、1000形を紹介する中吊りポスターが掲出された。

  • 車体前面の3色のストライプなど静岡鉄道時代からの特徴を残しつつ、行先表示器をLED化するなどの変更も。運行初日は藤崎宮前~御代志間を往復する列車で運用された

1000形の展示撮影会は北熊本駅車庫内にて4月10日9~12時に開催され、入場料は500円。1000形・01形・03形の3編成を並べての展示(9時から10時30分まで)、1000形へのヘッドマーク掲出(10時・11時30分からそれぞれ30分間)、1000形1編成のみの展示と運転台開放(10時30分から12時まで)を予定している。4月4日から「くまでん公式オンラインショップ」、4月9日から北熊本駅併設「くまでんショップ」にて、1000形のデビュー記念グッズも販売される。