愛媛が徳島に敗れたため後期優勝が決まり、歓喜に沸く香川の選手ら=高松市内
四国アイランドリーグplusは20日、高知県の四万十市安並運動公園野球場などで2試合があり、香川オリーブガイナーズの後期優勝が決まった。香川は1―1で高知ファイティングドッグスと引き分けたが、2位愛媛が3位徳島に1―4で敗れたため、2015年前期以来、5期ぶり11度目となる香川の優勝が決定した。後期通算成績は15勝3分け12敗。
香川は投手陣が踏ん張った。先発の左腕ストルザルカは、力強い直球とカーブを主体にストライク先行の投球で5回まで無失点を続けていたが、六回に二塁打と四球で無死一、二塁を招いて降板。救援したリチャードソンは続く5番打者に適時二塁打を許したものの、後続を抑えてこの回を1失点にしのいだ。
打線は0―1で迎えた八回1死一、三塁の場面でサインミスにより、三走吉田が挟殺プレーに追い込まれたが、捕手のタッチをかいくぐって同点の生還を果たした。
年間優勝を懸け、前期優勝の徳島と後期優勝の香川が争うチャンピオンシップ(5回戦制)は、第1、2戦が23、24の両日、徳島県のJAバンク徳島スタジアムで午後6時プレーボール。第3戦からは県内に会場を移し、30日から10月2日まで各日とも同6時半開始の予定。
▽四万十
香 川000000010―1
高 知000001000―1
(九回規定により引き分け)
▽二塁打 ロドリゲス、アンダーソン▽盗塁 具志堅、吉田▽失策 岡村▽捕逸 三好
▽試合時間 2時間31分
▽JAバンク徳島
愛 媛000010000―1
徳 島00031000×―4
(愛)河津、樽見、正田―佐藤秀(徳)橋本隼、相沢、ジェフン―生田、垂井
ナイン成長、前期の雪辱 西田監督「本当によくやった」
高知とのアウェー戦を終えた香川の選手らは20日夜、高松市内の球団関係事務所に集まり、無料通信アプリ(ライン)などを利用して徳島―愛媛戦の行方を見守った。午後8時50分すぎ、愛媛の敗戦が決まると室内は一斉に歓喜に包まれ、首脳陣とナインはがっちり握手。西田監督は「前期3位のチームから変わろうと、選手たちが本当によくやってくれた」と手放しで喜んだ。
後期優勝マジック「2」が15日に点灯したが、その後の徳島戦で1分け1敗。マジックが消滅した。この日決まらなければ、21日に四国Cスタ丸亀で行われる愛媛との直接対決が優勝決定戦になる予定だった。
最終戦の一歩手前までもつれ込む中でつかんだ優勝に「うれしい限り。正直ほっとした」と主将の小牧。香川に来て2年。チームを勝利に導こうと悩んだ日々の苦労がようやく実を結んだ。
投手では、中日から派遣された抑えの浜田や米独立リーグの経験豊富なリチャードソン、野手なら愛媛から移籍してきた吉田ら後期に向けて補強した選手の活躍が大きかった。新戦力に加え、「全員が一日一日成長しようと努力してきた」と主将が言うように、これまでの悔しさを知る選手たちが後期に急成長を見せ、本塁打ランキングトップのクリスらも優勝への大きな原動力となった。
次に目指すのは5年ぶりの年間優勝。チャンピオンシップへ向け、指揮官は「(選手たちにとって)少しでも長くこのメンバーで戦えることが財産になる。とにかく勝ちにいきたい」と闘志を燃やしていた。