巨人・山口寿一オーナー(63)が22日までに東京都内で取材に応じ、来季の暫定的なDH(指名打者)制導入案について初めて語った。14日のセ・リーグ理事会では賛同を得られず事実上見送りとなっている中、新プランとして(1)来年3月26日の開幕戦からセ・パ交流戦までの約2カ月間での期間限定導入(2)先発投手に1度だけ指名代打を送れる部分的導入、を新たに提案。来年1月19日のセ理事会を皮切りに開幕まで粘り強く訴えていく意向を示した。(取材構成・東山貴実)
静かな口調ながらも、山口オーナーの思いは熱かった。来季のDH制の暫定的導入案について、最大の背景に新型コロナウイルスの感染再拡大を挙げ、「恐らくコロナ禍はまだ収束しない。来季も予定通りに開幕できない可能性もあり、選手たちは今季以上に調整に苦労するのではないかとみている。(1軍出場選手登録枠や外国人枠の拡大、延長十回打ち切りなどの)今年と全く同じままのコロナ特例で本当に乗り切れるのか」と疑問を呈し、選手の故障防止のためにDH制の必要性を訴えた。
◆暫定的導入に「長嶋さんが賛成してくださった」
巨人では今月8日の定時取締役会で議論。当日欠席だった専務取締役の長嶋茂雄終身名誉監督にも意見を仰いで暫定的導入に賛同を得た。山口オーナーは「長嶋さんが賛成してくださったのは私としては自信になる。巨人軍の総意として(14日のセ理事会で)文書を提出させていただいた」と経緯を説明した。