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「お城の動物園」移転検討へ 姫路市が候補地選定、29年度に開業方向

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更新日:2020年06月19日

  • 移転の公算が大きくなった姫路市立動物園。アジアゾウの「姫子」などが暮らす=姫路市本町

  • 移転の公算が大きくなった姫路市立動物園。アジアゾウの「姫子」などが暮らす=姫路市本町

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 世界文化遺産・国宝姫路城の天守閣に隣接し、存廃の議論が続いていた姫路市立動物園(兵庫県姫路市本町)について、有識者でつくる専門部会が18日までに、「移転が適当」とする報告書案をまとめた。市はこの方針に沿って候補地の選定を進め、2029年度にも新施設を開業する方向で検討を始める。「お城の動物園」として長く親しまれてきたが、国の特別史跡内にあるため施設改修などで制約が多く、飼育環境の悪化が課題となっていた。(小川 晶)
 市によると、報告書案では22年度に移転先を選び、24年度に整備計画を策定するスケジュールも示されている。
 同園は約70年前の1951年に開業し、天守閣の南東側約3ヘクタールの敷地で102種(2019年4月時点)を飼育する。姫路城を望むという好立地もあり、2014~18年度には平均で年間約48万人が入園。同規模の動物園に比べて高い集客力を誇る。
 一方、一帯は文化財保護法に基づき、国の史跡の中でも特に価値の高い「特別史跡」に指定されており、「獣舎の補修にも国の許可が必要」(担当者)なほど、制約が厳しい。設備の老朽化が進み、「動物福祉の観点からは望ましい飼育環境ではない」との指摘も出ていた。
 このため市は昨年、特別史跡の保存活用計画策定を検討する懇話会に、動物園の在り方を話し合う専門部会を設置。動物繁殖や文化財の専門家が委員となって協議し、播磨地域唯一の公設動物園としての存在意義を認めつつ、課題解消には特別史跡外への移転が適当との結論でまとまった。
 市幹部は「今の立地は利便性が高く、代わりの候補地選びは簡単ではないが、動物福祉の意識の世界的な高まりを考えると移転の選択肢しか残らない」と説明する。移転後の跡地利用については未定だが、動物園がなかった江戸時代の姿を復元する構想もあるという。

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