iPSから免疫細胞 東大、米で特許成立
東京大の中内啓光教授らは4日、がん細胞や感染症のウイルスを攻撃する免疫細胞をiPS細胞を使って再生する技術の基本特許が米国で成立したと発表した。登録は昨年12月8日付。東大発ベンチャーを通じ、日米での臨床応用を目指す。
がんやエイズなどの感染症は、T細胞と呼ぶ免疫細胞の働きが弱まると病状が進行するとされている。中内教授らは患者の血液から採った免疫細胞でiPS細胞を作り、がん細胞や感染症の原因となるウイルスだけを攻撃する免疫細胞に育てる技術の開発に成功した。
体内で衰えた免疫細胞を若返らせることで、高い治療効果が期待できるという。マウスの実験では、腫瘍が縮小する効果を確認している。
成立した特許は東大発ベンチャーのiCELL(東京・港)に独占実施権が与えられた。同社の子会社、アドバンスト・イミュノセラピー(東京・港)を通じて日米で臨床応用を目指す。