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ツイッターで「気候(climate)」という単語を検索してみる。最初に表示される言葉は「気候変動(climate change)」ではなく、「気候詐欺(#climate scam)」だ。
「気候詐欺」は、「気候変動はデマだ」「気候危機は存在しない」など、科学的根拠に基づかず信じたい主張のみを展開する人たちの符丁だ。
国際NPO「反デジタルヘイトセンター」によれば、ツイッター上で「気候詐欺」を含む投稿は2022年11月に約2万4000件に上った。22年1~10月の平均の6倍以上だ。
偽情報が急増したのは、22年10月に米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏がツイッター社を買収したことが一因との見方が強い。マスク氏は「言論の自由」を掲げ、問題投稿を繰り返して凍結されていた数千以上のアカウントを復活させた。復活した一部のアカウントが「気候詐欺」のような問題投稿を繰り返しているとみられる。人種差別や同性愛者を中傷する投稿も増加しているという。同センターは「マスク氏による買収後、ツイッターは誤情報が集まる場になってしまった」と嘆く。
マスク氏は「買収前と比べてヘイトスピーチ(憎悪表現)は減少した」と反論する。だが、国連のフォルカー・テュルク人権高等弁務官は11月、「有害な情報が拡散しないよう取り組む責任がある」とマスク氏に対し異例の声明を出した。