そんな女子プロレスであるが、東京ドームで大会を開くほどの人気だった時期がかつてあった。しかしそれが、女子プロレスブームの頂点であり転落の始まりであった。
北斗晶に神取忍……女子プロレスブームを牽引したレスラー
女子プロレスブームが起きたきっかけは多くの団体による団体対抗戦。男子プロレスは当時新日本プロレスと全日本プロレスの二強で団体対抗戦はタブーだったが、女子プロレスはいち早く団体対抗戦を行ったこともあり、プロレスファンを惹きつけている。
その女子プロレスブームを担ったレスラーは、現在もタレントして活躍してる北斗晶。そしてその北斗と抗争を繰り広げた神取忍をはじめ、豊田真奈美、工藤めぐみ、ブル中野、アジャ・コングなどが人気に。試合のクオリティーも高かったこともあり、女子プロレスブームに拍車がかかった。
失敗に終わった東京ドーム大会
女子プロレスブームはその後も続き、会場の規模も両国国技館、横浜アリーナ、そして1994年には東京ドームへとステップアップしていく。全日本女子プロレスは東京ドーム大会を勝負と位置づけ「北斗晶引退試合」と優勝賞金1000万円がかかったトーナメントを開催。多くの女子プロレスラーが参加し、試合数はなんと23試合にも及んだ。
しかし、全日本女子プロレスの意気込みと裏腹に、ファンの間から東京ドーム大会は不評を買った。23試合という試合数の多さがネックとなり、終電を逃すファンが続出したり、試合が見づらかったりと散々な結果に。結果的に大失敗に終わってしまった。
人気低迷後の女子プロレス界
東京ドーム大会での失敗を裏付けるかのようにその後、女子プロレスブームは沈静化していく。
衰退期から立ち直りを見せようと奮闘している女子プロレスだが、女子プロレスブーム時代の熱狂とは程遠い。あの頃の熱を取り戻すまで、現在の女子プロレスラーはきっとリングでもリング外でも戦い続けるのあろう。
(篁五郎)
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