本田圭佑、日本人初の3大会連続ゴール…661日ぶりに決めた「次は大事な試合」

後半33分、同点ゴールを決め、大迫(右)に抱きつかれ笑顔の本田(左は柴崎=カメラ・竜田 卓)
後半33分、同点ゴールを決め、大迫(右)に抱きつかれ笑顔の本田(左は柴崎=カメラ・竜田 卓)

 FIFAランク61位の日本は同27位のセネガルと2―2で引き分けた。前半34分にMF乾貴士(30)=ベティス=、後半33分にMF本田圭佑(32)=パチューカ=の日本人初の3大会連続弾で、W杯で初めて2度のビハインドを追いついた。本田は代表で661日ぶりのゴール。32チームによる現行方式となった98年フランス大会以降、初戦から勝ち→引き分けの場合は19チーム中16チーム(84・2%)が1次リーグを突破している。最終戦のポーランド戦(28日)で引き分け以上なら自力で2大会ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。

 持ってる男のもとへ、ボールが引き寄せられていった。1点を追う後半33分、本田は左サイドの乾から送られてきたグラウンダーのパスを左足ダイレクトで蹴りこんだ。日本史上初となるW杯3大会連続ゴール。「(乾)貴士のボールが、すごいいいところにきた。外していたらまずいシーン。決められて良かった」。16年9月1日のUAE戦以来661日ぶりとなる代表でのゴールで、日本を敗戦の危機から救った。

 後半26分に勝ち越しを許した直後の27分に出番が訪れた。香川と交代で入ると、同30分には岡崎の投入とともに右サイドハーフへポジションを移した。その直後に訪れた千載一遇のチャンスをモノにした。代表通算37得点となり、原博実に並ぶ歴代4位に浮上した。

 日本の流れを変えるジョーカーだ。初戦のコロンビア戦でも途中出場し、CKからFW大迫の決勝点をアシストした。だが試合後に右太ももと左膝内側の2か所を打撲。2日間別メニューで調整したが「問題ない」と万全を強調して試合に臨んでいた。

 10年南アフリカ大会ではカメルーンから、14年ブラジル大会ではコートジボワールから得点を奪っており、この日のゴールでアフリカ勢から3大会連続得点とキラーぶりを発揮。22日の練習後には「(セネガルの)弱点は見つけている」と集中力が途切れる一瞬が勝負どころとにらんでおり、狙い通りのゴールだった。

 セネガル戦への本格的な準備はわずか4日間だった。指揮官は4月の就任から「全てコロンビア戦に向けている」と語ってきた。初戦に全精力を注いで“サランスクの奇跡”を起こすと、主力選手を試合翌日から2日連続で軽めの調整にして体力回復を最優先。相手の分析や戦術を落とし込む時間は短かったが、ミーティングでは幕末の志士・坂本龍馬の生き方を説くなど精神面の充実も図った。その結果、2度のリードを許しながらも追いついてみせた。

 1勝1分けとなり、第3戦に引き分け以上なら1次リーグ突破が決まる。だが相手のポーランドは同組でFIFAランク最上位の8位と予断は許さない。「コロンビア戦よりいい戦いができた。次は負けたら敗退もありえる大事な試合。本音を言えば今日決めたかったですけど、いい準備をしたい」と本田。復活したエースに導かれ、日本が2大会ぶりの決勝トーナメントへ名乗りを上げる。

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