ブラジルの右派ボルソナロ大統領は30日、年末までの任期を残して空軍機で米国へ出発した。1月1日に就任する左派ルラ新大統領の就任式には出席せず、ルラ氏の肩に懸章をかける伝統的な役目も回避した。ブラジルメディアが報じた。
ボルソナロ氏は米南部フロリダ州で1カ月ほど過ごすという。30日、支持者らに向けて動画をライブ配信し、大統領選のキャンペーンは不公正で自身が不利になったと主張、ルラ氏を支持した人が既に「後悔している」などと述べた。
一方で、自身の支持者が選挙結果に反発して爆発未遂事件を起こしたことなどを念頭に「テロ行為の企ては正当化されない」と、違法行為をいさめた。任期を振り返り涙ぐむ場面もあった。
首都ブラジリアの陸軍本部前では、数百人のボルソナロ氏支持者が選挙結果に抗議するデモを実施。リタリマ・ダコスタさん(72)は「ルラ氏は(汚職に手を染めた)泥棒だ。大統領に就任してほしくないので、ここにいる」と話した。(共同)