八村、NBAデビュー 開幕戦に先発14得点
【ダラス(米テキサス州)=鱸正人】米プロバスケットボールNBAのウィザーズに所属する八村塁(21)が23日(日本時間24日午前)、敵地ダラスで行われたマーベリックスとの開幕戦に先発出場し、NBAデビューを果たした。八村は約25分間プレーし、14得点、10リバウンドをマークした。
日本出身のNBA選手は田臥勇太(当時サンズ)、渡辺雄太(現グリズリーズ)に続く3人目で、開幕戦で先発するのは史上初めて。日本選手で初めてドラフト1巡目指名を受けた21歳が、世界最高峰の舞台で大きな一歩を踏み出した。
ダラスのアメリカンエアラインズ・センターで先発メンバーとして名前がアナウンスされると、引き締まった表情でコートに入った。試合開始のティップオフ直後にいきなりファウルを取られたが、2分半すぎにゴール下にドリブルで切れ込み、左手で放った最初のシュートを決めて初得点(2点)を記録。その後も得点を重ね、得点数、リバウンド数ともチーム2番目の数字をマークした。チームは100-108で敗れた。
同日の昼間に試合会場で行ったシュート練習ではチームメートと談笑するなど、リラックスした表情を見せていた八村。日米の報道陣の取材にも応じ、「朝起きて不思議な気持ちですごく興奮していて、正式にNBAのゲームが始まるのですごく楽しみ。積極的にやりたい」と話していた。
ベナン出身の父、日本人の母を持つ八村は富山市立奥田中でバスケットを始め、宮城・明成高で全国制覇。全米大学体育協会(NCAA)の強豪ゴンザガ大で活躍し、今年6月のドラフト会議でウィザーズから1巡目9位という高評価で迎えられた。オープン戦では4試合に先発し、1試合平均22分出場で10.3得点、6.5リバウンドと結果を出し、開幕戦先発の座を勝ち取った。
これまでのキャリアを振り返り、「(NBAのコートに)こうやって本当に立てることが夢みたいにしか思えなくて、今でも考えられない。中学、高校、大学のチームメートらまわりの人に感謝したい。だからこそ今の僕があると思う」とも語った八村。長く主戦場となるであろうNBAで新たな挑戦が始まった。