雨に負けない 快適な通勤靴(何でもランキング)
「ムレにくさ」意外に重要
多くの地域でもうすぐ梅雨を迎える。雨の日に出かけるのは何かと面倒だ。中でも通勤に履いていく靴に頭を悩ます人は少なくないだろう。長靴ではちょっと大げさな感じがするし、かといって普段使っている靴では水が染み込んでしまう。通勤に使え、雨に強い靴を男女別に選んだ。
地域を問わず買いやすいよう、通信販売で扱う1万5千円前後までの靴を対象にした。水の染みにくさ「防水性能」、素材の水蒸気の通しやすさ「透湿性能」、足と靴のすき間などの空気の出入りのしやすさ「換気性能」を測ったほか、専門家には履き心地や雨に強い素材かどうか、通勤向きデザインかといった点を考慮して選んでもらった。
すぐ水が染みる靴は論外だが、一定の防水性能があれば、通勤靴で重要なのは透湿性や換気性という。衣類や靴の快適性を研究する横浜国立大学の薩本弥生准教授は「防水性能が高くても履き口から雨が入る。足から汗も出ており、ムレにくく、ぬれても乾きやすい靴を選びたい」と話す。
一般に天然皮革、人工皮革、ゴムの順に透湿性が高い。透湿性をうたう新素材は具体的な種類によって差はあるものの、人工皮革より優れているケースが多く、購入の一つの目安になる。
靴底も重要だ。雨用には少ないが革の靴底は滑りやすく、ゴム底や凹凸の付いた素材が安心だ。ただ「路面や床との相性もある」(ミスターミニットトレーナーの渡辺勇二さん)ので、滑りにくい靴底でも、雨の日は慎重に歩くようにしよう。
雨に強い靴でも「日々の手入れが欠かせない」(オールアバウト靴ガイドの飯野高広さん)。クリームや靴墨で油分やロウなどをきちんと与えていれば、突然の雨などに対して強い靴になっていくという。
ぬれたら「中敷きが外せれば外して乾かし、靴の中にシリカゲルなどの入った乾燥剤を入れる」(渡辺さん)。玄関は北側のことが多く、湿気がたまりやすいので、げた箱に入れず風通しのよい場所で乾かす。
通販で買うときは…試し履きの条件をチェック
店頭と違い、通販で靴を買うとき気になるのが試し履き(商品交換)できるかどうか。通販大手を中心に交換できる業者も増えている。
多いのは、商品到着後7~8日内で未使用であれば交換が可能なケース。ディノスはサイズが合わない場合などに、購入者が新たな送料を負担せずに交換できる。リクルートeyeco、ABCマートは購入者が送料を負担すれば、サイズ交換が可能だ。ジャバリは交換だけでなく、30日内なら理由を問わず、送料無料で返品もできる。「交換可」と明記していなくても、相談次第で受けてくれる業者も多い。
ただ、いずれも室内で試し履きするなど商品に傷や汚れを付けないことが前提。試し履きしたい人は事前に条件や料金負担を確認しよう。
調査の方法 大手通販サイトの売れ筋や靴専門サイトのおすすめなどをもとに男女別にそれぞれ10候補を選出。専門家が実際に試した評価に、横浜国大の薩本弥生准教授の協力で測定した防水性能などの結果を加味して点数をつけた。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
阿部絢子(生活研究家)▽飯野高広(オールアバウト靴ガイド)▽大高成(足と靴と健康協議会FHA上級シューフィッター)▽神津文人(「ベスト・ギア」編集部チーフデスク)▽小谷博子(FHA上級シューフィッター)▽武田尚子(ファッションライター)▽納富廉邦(ライフスタイルライター)▽福井健太郎(青山フットケアアカデミー代表)▽村山らむね(通販評論家・消費生活アドバイザー)▽山川文子(消費生活アドバイザー)▽渡辺勇二(ミスターミニットトレーナー)