山口組ナンバー2出所 警察、抗争激化を警戒

2019年10月18日 16時00分

府中刑務所を出所した、指定暴力団山口組の高山清司若頭=18日午前、東京都港区で

 国内最大の指定暴力団山口組ナンバー2の高山清司若頭(72)が十八日、刑期を終えて東京・府中刑務所を出所した。
 高山若頭が服役中に山口組は神戸山口組など三団体に分裂。十日には神戸市の同組系組事務所前で組員二人が射殺され、山口組系組員が逮捕されるなど両組は抗争状態にあり、警察当局は激化する恐れもあるとみて警戒を強めている。
 多数の機動隊員が警戒する中、高山若頭を乗せたワゴン車は午前六時前に同刑務所を出発。午前七時すぎに品川駅で東海道新幹線に乗る際は、首にコルセットのようなものを巻き、つえをついてゆっくりと歩いた。午前九時前に名古屋駅で下車すると、「お帰りなさい」と声を掛けた組員や警察官数十人に取り囲まれ、白いワゴン車に。利用客で混雑する同駅は騒然とした。その後名古屋市内で山口組の篠田建市(通称・司忍)組長(77)と面会したとみられる。
 高山若頭は、京都市内で男性から四千万円を脅し取ったとして、二〇一〇年に恐喝容疑で逮捕された。一四年五月に恐喝罪で懲役六年の判決が確定、翌月に収監された。
 一五年八月、神戸市に拠点を置く山健組など当時の中核団体を含む一部の組が離脱し神戸山口組を結成。篠田組長と高山若頭はともに名古屋市に本部を置く弘道会出身で、捜査関係者は、影響力を強めた同会への不満が高まったことが一因とみている。
 一七年四月には神戸山口組から一部が離脱し、現在の任侠(にんきょう)山口組を結成。三団体はいずれも指定暴力団に指定されている。
 警察庁によると、一五年八月以降、三団体の関係者が絡む抗争とみられる事件は今月十六日までに計百二十九件発生。一般人が巻き込まれたケースはないが、九人が死亡した。

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