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汚染水処理、米独仏から機材やノウハウ 福島第1

(更新)
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東京電力は31日、福島第1原子力発電所のタービン建屋地下や屋外のトレンチ(坑道)に続き、初めて地下水から放射性物質を検出したと発表した。建屋などの汚染水は順次タンクに移しているが、冷却装置の復旧が可能な作業環境からは程遠い。政府は原子炉や放射線の管理技術で優れたノウハウを持つフランスやドイツ、米国の協力も得て汚染水の処理と原子炉の冷却を急ぐ。

1号機タービン建屋付近の地下水から、原発施設の敷地境界における法令基準値の1万倍に相当する1立方センチメートルあたり430ベクレルの放射性ヨウ素131を検出したという。建屋周辺の汚染水が地中に染み込み、海に流出した可能性もあるとみてさらに詳しく調べる。

汚染水の除去が難航するなかで、日本はフランスの原子力大手アレバなどから放射線防護服1万着や環境測定車2台、ポンプ10台、核反応を抑えるホウ酸100トンなどの無償提供を受けた。さらにアレバは汚染水処理のほか使用済み核燃料プールの管理、原子炉の専門家ら20人を日本に派遣、増員も検討するという。

アレバはフランスの再処理工場で高濃度の放射性廃液を扱っている。「米国のスリーマイル島や旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の処理にも取り組んだことがある」(ロベルジョン最高経営責任者=CEO)など汚染処理のノウハウがある。フランスは日本に放射性物質で汚染された場所で活動できる無人ロボットも提供する意向だ。

ドイツからはウェスターウェレ副首相兼外相が2日に来日、松本剛明外相と会談する方向で調整中だ。ドイツ製機材の使用などについて協議する見通し。ドイツのメルケル首相は30日に菅直人首相と電話協議した際に遠隔操作ロボットの提供を提案。政府は汚染水除去などに活用を検討する。

米国も支援を本格化している。原子炉の冷却に使う真水を積んだ米軍横須賀基地所属の「はしけ船」1隻が31日、原発近くに接岸し東電側への引き渡し作業を終えた。1隻に約1100トンの水を積める。もう1隻も機器の試運転を終えた後、小名浜港(福島県いわき市)を出港する予定だ。

また放射線管理や放射線被害のノウハウを持つ米海兵隊の専門部隊140人が2日にも来日する。専門部隊は1995年の日本の地下鉄サリン事件を機に創設された。防衛省は緊急時に放射性物質を除染する場所で増援部隊として活動してもらうことを想定する。

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