三菱電機、変圧器3384台で検査不正 調査委の報告は6月以降に

三菱電機本社が入るビル前の看板=東京都千代田区(鴨川一也撮影)
三菱電機本社が入るビル前の看板=東京都千代田区(鴨川一也撮影)

三菱電機は21日、一部の変圧器で検査不正が新たに見つかったと発表した。規格や顧客の要求基準を満たさない形で性能試験を実施するなどしていた。不適切行為が確認された変圧器は3384台。同社は「すぐに故障するとは考えていない」としている。ただ、規格を満たさない変圧器を運用すれば、顧客側が電気事業法に抵触する恐れがあるといい、納入先と相談の上で特別点検などを実施する方針という。

外部専門家で構成する調査委員会による調査の過程で、今月1日に問題が発覚した。具体的には、規定の電圧に耐えられるかを調べる試験で、規格や顧客の要求基準よりも低い電圧をかけたにもかかわらず、試験成績書には規定通りの電圧値を記載するなどしていた。ほかにも使用時の温度上昇を調べる試験などで不正があった。

系統変電システム製作所赤穂工場(兵庫県赤穂市)から昭和57年以降に出荷された6万ボルト以上の変圧器のうち3384台で不正が確認された。国内外の電力会社や鉄道事業者、工場などに納入された。三菱電機は国内では約15%のシェアを握っているという。

不正の続出を受け、調査委による一連の検査不正の調査完了時期は6月以降にずれ込む見通しとなった。これまでは今月末をめどに完了するとしていた。

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