巻き返しを図る来季へ向け、「地元香川の選手がほしい」と語る西田真二監督
四国・九州アイランドリーグはレギュラーシーズンが終了、総合優勝を懸けたチャンピオンシップ(CS)も今週末に決着を迎える。香川オリーブガイナーズは前期、後期とも2位。わずかの差でCSの舞台に立つことができず、目標の総合4連覇はならなかった。既にナインは気持ちを切り替え、練習を再開。プロ野球2軍との秋季教育リーグ「フェニックス・リーグ」(10月6日から宮崎)や来季に向け、スタートを切った。「常勝ガイナーズ」は何が足りなかったのか。来季は何が必要なのか。チームの立て直しに努める西田真二監督に聞いた。(聞き手・松井巧造)
―今季を振り返って。
皆さんの期待に応えることができなかった。残念の一言。前期は長崎、後期は高知と、ともに残り3試合目で相手の胴上げを見ることになった。結果には満足していないが、優勝争いができたことは健闘したと思う。
―前、後期別には。
前期は徳島(最下位)に5連勝の後、1分け2敗。長崎、福岡の敵地で勝てなかったのも響いた。後期も徳島(同)に負け越した。たたけるところで徹底的にたたかなければ勝てない。
―選手では。
新戦力の投手にかなり期待をしていたが、久代は故障(退団)し、上野は球速、制球力とも思ったほど上がらなかった。深沢(元巨人)には天野(現BCリーグ監督)のような活躍を期待したが、自滅するパターンが多く、上向いたころにけがをした。故障していた福田が後期は先発、中継ぎと彼なりに投げた。高尾の成長は見逃せない。
―野手は。
経験を積ませた志佐、藤井ら若い選手が、レギュラーとしてまだリーグのレベルには達しなかった。前期によく働いた荒木は後期、本塁打ゼロ。金井は50打点を挙げていても、優勝争いをしている試合で打てなかった。後半、上げてきた洋輔、国本を含め、トータルで勝負強さが出なかった。
―昨季の主力が4人も抜けたことが大きい?
リーグの理念は選手をプロ野球に行かせてあげること。抜けるのは仕方がない。捕手で堂上(ソフトバンク)と比べられる西森はまだ未熟。注意力が欠ける場面がある。投手を気持ちよく投げさせるには信頼関係が大事。過酷だが、精神的にたくましくなれば一回りも二回りも大きくなる。
―戦力はダウンした。
昨季までは相手にとっていやらしいチームだった。自信を持っていた選手が多く、優勝できるとなると集中力が出た。今季は長距離砲がおらず、平均点の選手が多かった。抜けた選手に代わるプラス面がなかった。大事なところで守りのミスも出たし、投手陣が終盤に失点し、追いつかれた試合もある。勝負どころでの力。目にみえないものの差がある。
―来季に向け、強化策は。
やられたらやり返すのがプロ。「悔しい」と口ばっかりで終わらずに行動を伴ってほしい。1、2年目の選手はトレーニングで体をつくる。打者はスイングを速くし、一塁までの全力疾走を当たり前にやってほしい。投手は変化球の制球の精度を上げることに尽きる。
―補強については。
野手は走攻守にバランスが取れた選手。投手は荒削りでもいい、ゲレロ(徳島)みたいな球の速い若い選手が入ってくれれば。あとは制球力のいい即戦力の投手が必要。残念なことに地元香川の選手が少ない。ガイナーズをいい意味で利用してほしい。将来的に10人ぐらい入ればファン層も広がる。