小田急電鉄と東京メトロは2016年3月26日にダイヤ改正を実施すると発表した。小田急線・東京メトロ千代田線・JR常磐線(各駅停車)の3社それぞれの車両が相互直通運転を行う形態となり、千代田線直通の小田急ロマンスカーも増発される。

東京メトロ千代田線16000系。多摩急行として小田急多摩線を走行

小田急多摩線では、JR東日本E233系2000番台による試運転も行われた

東京メトロ千代田線は小田急線・JR常磐線(各駅停車)とそれぞれ相互直通運転を行っている。小田急線・千代田線・JR常磐線の3線走行は東京メトロの車両(6000系・16000系)によって行われてきたが、小田急電鉄・JR東日本の車両も3線走行できるように改造されることになり、JR常磐線で小田急電鉄4000形、小田急線でJR東日本E233系2000番台による試運転も行われた。来春のダイヤ改正から、3社それぞれの車両による相互直通運転が開始され、千代田線・小田急線の直通列車も増発される。

日中時間帯には、多摩急行を急行に種別変更した上で直通列車を増発。現在の多摩急行唐木田行による毎時2本(30分間隔)の運転から、急行唐木田行による毎時3本(20分間隔)の運転に変更される。平日18~23時台には、千代田線・小田急線直通の準急本厚木行を毎時1本設定。多摩急行唐木田行もおおむね30分間隔で運転される。

平日18時台以降の特急ロマンスカー「メトロホームウェイ」も、大手町発本厚木行の列車を2本増発。既存の列車3本とともに、計5本の「メトロホームウェイ」が1時間おきに発車する運行形態となり、大手町駅は毎時20分発、霞ヶ関駅は毎時25分発、表参道駅は毎時33分発にそろえられる。現行の北千住発唐木田行「メトロホームウェイ71号」は行先が変更され、北千住発本厚木行「メトロホームウェイ41号」に。平日・土休日に運転される「メトロはこね」は、小田急線内の停車駅に本厚木駅が追加される。

海老名駅・伊勢原駅が特急ロマンスカーの停車駅に! 快速急行も増発

小田急電鉄は来春のダイヤ改正にて、特急ロマンスカーの停車駅に海老名駅・伊勢原駅を追加する。小田急線・相鉄線・JR相模線の3路線が接続する「神奈川県央のターミナル」海老名駅では、平日・土休日の日中時間帯、新宿~箱根湯本間「はこね」が下り・上りともに毎時1本停車。夕方以降の新宿発下り「ホームウェイ」も2本停車する。土休日は「はこね」に加えて「さがみ」も午前中に上り2本停車する。

大山地域への最寄り駅となる伊勢原駅には、平日・土休日ともに「はこね」が上下2本ずつ停車。下りの停車時刻は朝7・8時台、上りの停車時刻は14・17時台で、伊勢原駅北口から大山ケーブルへのバス(神奈川中央交通)にも接続する。

新宿駅では平日10~16時台・土休日11~22時台の特急ロマンスカーの発車時刻を毎時10・30・50分発に統一。平日18~22時台の「ホームウェイ」の発車時刻も毎時0・30・45分発にそろえられ、18時30分から22時まで、新宿駅を毎時0・30分に発車する「ホームウェイ」はすべて小田原行となる。毎時45分発の「ホームウェイ」は藤沢行で、新宿駅21時45分発・22時45分発の列車は新百合ヶ丘駅にも停車する。なお、現行の新宿発唐木田行「ホームウェイ」は運転取りやめとなる。

「はこね」にも使用されるロマンスカーVSE(50000形)

藤沢行の快速急行。ダイヤ改正で増発される

区間準急は来春のダイヤ改正で運転取りやめに

小田急線では日中時間帯(11~16時頃)の快速急行も増発。新宿~新松田・小田原間と新宿~藤沢間の列車がそれぞれ毎時3本ずつ運転され、下り快速急行の新宿駅発車時刻は毎時0・11・20・31・40・51分発(毎時0分発が新松田行、毎時20・40分発が小田原行、毎時11・31・51分発が藤沢行)となる。江ノ島線の日中時間帯の急行は運転取りやめに。

新宿~藤沢間の快速急行は下り・上りともに相模大野駅で小田原方面の急行と接続。小田原方面からの上り快速急行は新百合ヶ丘駅にて、多摩線から東京メトロ千代田線へ直通する急行と接続を図る。この急行は代々木上原駅で新宿行の快速急行に乗換え可能。千代田線からの急行は藤沢行の下り快速急行の後に代々木上原駅に到着し、新百合ヶ丘駅で後に続く小田原方面の下り快速急行に乗り換えられる。

平日の経堂駅では、急行の停車する時間帯が下り・上りともに18時前まで延長に。小田急線の区間準急は全時間帯にわたって運転取りやめとなる。