(セ・リーグ、ヤクルト3-2中日、20回戦、中日11勝9敗、18日、神宮)ヤクルトのデービッド・ブキャナン投手(30)が男泣きした。8回4安打無失点で3勝目。スタンドに家族の姿を見つけると、お立ち台で目を潤ませた。
「家族が目の前にいるのが見えたので、ウルっときてしまった。家族の話になると、どうしても泣いてしまう」
昨季は開幕投手を務めたが、今季はこの試合まで2勝6敗、防御率5・94と苦しんでいた。この日は変化球を低めに集めて14個の内野ゴロを打たせ「色んな球種をコントロールできた。守備にも助けられた」とうなずいた。
支えてくれた夫人のアシュリーさん、昨年9月に誕生した長男のブラッドリー君にささげる94球だった。帽子の裏に書き込んだ「N・M・W・H・A・L・M」の文字は「ノーマター、ワッツハプン、アシュリーラブズミー(何があろうとも、私はアシュリーに愛されている)」の意味。2軍調整中だった5月の誕生日に家族ぐるみで祝福してくれたナインのためにも、意地を見せたかった。
前夜は7投手の継投で勝ち、この日は先発が8回を投げ抜いて2連勝。「全体的に低めに集め、緩急を使って抑えていた」と小川監督。2カード連続の勝ち越しで、ここ6試合は5勝1敗と上昇気配だ。 (長崎右)